秋山研究室の主な研究テーマ

1. キラルブレンステッド酸触媒を用いた不斉合成反応の開発

(R)-ビナフトールから合成した新規なリン酸が不斉触媒として作用することを初めて見いだした。このリン酸を用いることにより含窒素化合物が光学純度よく得られることを明らかとした。これまで、不斉合成反応には金属ルイス酸触媒を用いるのが一般的であったが、キラルブレンステッド酸が不斉触媒として有効に作用することを見いだした。

2. 低原子価ニオブを用いた炭素-フッ素結合と炭素-水素結合二重活性化反応によるフルオレンの新規合成反応の開発

一般に炭素ーフッ素結合は安定であり，不活性である。ところが、五塩化ニオブと水素化アルミニウムリチウムより調製した低原子価ニオブ化合物を利用すると、炭素ーフッ素結合と炭素-水素結合を同時に活性化した上で、炭素-炭素結合形成を行えることを見いだした。

3. キラル銅(I)触媒を用いた有機ケイ素・有機スズ化合物を用いたエナンチオ選択的付加環化反応

銅触媒を用いる事により，アレニルシランなどの有機ケイ素化合物とイミンとが[3+2]型の付加環化反応を起こし，プロリン誘導体が高い光学純度で得られる事を見いだした。

4. クロムカルベン錯体を用いる複素環化合物の新規合成法の開発

クロムのアミノカルベン錯体とa,b-不飽和アルデヒドが[3+2]型の付加環化反応を起こし、多置換ピロールを収率よく与えることを見いだした。