


学習院マネジメント・ 従来の産学連携は、大学の理系部門を中心に技術開発を主眼とした共同研究という形で進んでおり、社会科学部門においてはほとんど大がかりな連携は進んでいませんでした。しかし、社会のビジネス環境においては、小さな、すなわち改良的な変化の時代でなく、大きな変革を伴う時代になってきています。この大きな変革のためには、技術のみならず体系的な理論をバックグランドとした考え方がないと企業の屋台骨を揺るがす危険性があるため、必ず体系的な理論が必要となります。
大学においても、特に流通やマーケティング、経営戦略などビジネス界の実践と離れては成り行かない時代を迎えています。このような時代に大学と産業界の接点として学習院マネジメント・スクールの果たすべき役割は非常に大きいと考えます。したがって、産学両者がともに繁栄するために、強い連携がこれまで以上に必要であることは疑問の余地がないと思います。
歴史書を見ると、中世ではビジネスの中心地である「市場」のことを「市庭(いちば)」と書きました。
この庭(ば)とは特異な空間を意味しており、権力者の支配の及ばない境界に作られたようです。このビジネスの中心となる庭(ば)がそういう空間にあることは偶然ではありませんでした。振り返って大学という空間を考えると、まさにビジネスの中核である企業間の境界において基礎及び先端理論を支える役割で存在しています。このような歴史的な意味づけを現在に復活させ、
『情報化やグローバル化が急速に進展する社会経済的環境の中で、
1. |
企業成長のために必要とする先端ビジネス・マネジメント理論と技術を企業に伝えること、 |
|
2. |
情報化社会の必要とする人材を産業界と連携して育成すること、 |
|
3. |
産学共同で革新的な戦略・手法などの共同開発すること』 |
というのが、市庭の教育機関としての使命を考慮した、現在の私たちの目的です。
単なる講座を開設して教育を実施するというより、情報化社会での成長を熱心に追及しようとしている企業を主たる会員として組織し、会員企業を中心に密接に連携しつつ、企業の計画的かつ体系的な情報化教育・共同研究を進めていきたいと思います。このために学習院大学、および内外のシンクタンクの専門家とも協力しながら共に成長し、全力を尽くしたいと考えています。
| 学習院マネジメント・スクール 所長 上田隆穂 |
![]() |