大学院人文科学研究科について

大学院への進学

興味のあるテーマについて4年間研究をしたあなたは、それだけではもの足らなく思い、もっと研究を深めたいと感じるかもしれません。あるいは、将来の進路のため、資格取得のために、さらに専門的な知識を得たいと思うかもしれません。大学院は、そんな人のための研究教育機関です。

学習院大学には、大学院人文科学研究科があり、例年、数十名が進学しています。大学(学部)とは独立した機関ですから、入学試験があります。他大学の大学院に進む人もありますが、各分野で一流の研究者を揃えた学習院の大学院へと、他大学から入学してくる学生もまた少なくありません。 人文科学研究科のスタッフは、基本的に文学部のスタッフと同じです。学部の授業では入門的なことを扱う教員も、大学院ではより自らの専門に即したレベルの高い授業を開講しているというわけです。

指導体制と履修

大学院入学後は学位取得を目指して、必要な授業を履修しつつ教員の指導を受け、論文の作成に取り組むことになります。前期課程では修士論文による「修士」、後期課程では博士論文による「博士(課程博士)」の学位を取得することができます。

人文科学研究科の優れた特徴は、大学院生一人ひとりに対して丁寧な指導を行っている点にあります。院生は各年度の始めに研究計画書を提出しますが、それに応じて指導教授1名ならびに副指導教授1名以上からなる修士論文/博士論文指導委員会が学生ごとに組織されます。その上で院生は、研究内容に応じた指導を適宜受けながら、論文作成計画書を各年度に提出し、実際の論文を執筆していくことになります。それ以外でも、教員は同じ研究者としてさまざまの指導や助言を随時行っています。

修士課程

1年生
  • 4月

    入学

  • ※入学ガイダンスを行い、その後の予定をお知らせしています。

2年生
  • 6月末日

    論文題名届の提出

  • 1月

    修士論文の提出

  • 2月

    口述試験

修士論文提出資格
博士前期課程に1年以上在学し、所定の授業科目について20単位以上取得

修士の学位を取得

博士課程

1年生
  • 4月

    入学

  •         

    ※入学ガイダンスを行い、その後の予定をお知らせしています。

2年生  
3年生
  • 6月末日

    論文題名届の提出 1

  • 9月末日

    博士論文の提出 1

  • 11月末日

    論文題名届の提出 2

  • 2月末日

    博士論文の提出 2

博士論文提出資格
博士後期課程に2年以上在学し、所定の授業科目について16単位以上取得
※課程博士については、年に2回の提出期日が設けられています
※3月に学位を得ようとする者は1の期日までに書類を提出すること

博士の学位を取得

修士の学位取得状況

専攻 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
哲学専攻 5 5 5 8 3 1 1
美術史学専攻 9 11 7 9 8 6 5
史学専攻 13 8 6 13 8 6 6
日本語日本文学専攻 20 9 15 12 16 12 10
英語英米文学専攻 5 2 4 10 4 6 4
ドイツ語ドイツ文学専攻 4 1 0 1 0 1 2
フランス文学専攻 3 3 0 3 4 2 3
心理学専攻 0 2 1 0 1 1 0
臨床心理学専攻 15 10 12 9 11 11 9
教育学専攻 6 7 10 4 3 14 2
アーカイブズ学専攻 11 3 9 5 9 5 3
身体表象文化学専攻 5 4 6 5 2 4 5

留学

博士前期課程・後期課程とも、近年外国の大学院・研究所に留学するケースが増えてきています。留学の様態は、各国が設定している公費留学生・各種財団の奨学生・学習院大学国際交流センターの奨学生・私費留学生と様々です。留学によって修得した学業の結果は規程に従って単位の認定が行われます。かつてメキシコ政府の留学生として2度留学した学生がいますが、その学生はメキシコ国立自治大学大学院において博士の学位を取得し、現在同大学の教授として勤務しています。学習院大学人文科学研究科は諸外国の研究環境に対して開かれています。また、逆に諸外国から、文部科学省留学生として、あるいは各種財団の奨学生として、人文科学研究科に留学し、学業を修めて修士論文・博士論文の審査に合格し、学位を取得した学生も近年増えています。その一端は「博士の学位取得者」一覧表にごらんいただけます。
過去現在にわたる留学先を専攻別に紹介します。なお、年次などは順不同です。

国際交流センター

哲学専攻

ニューヨーク大学(アメリカ)/ケンブリッジ大学(イギリス)/バーミンガム大学(イギリス)/イーストアングリア大学(イギリス)/チューリッヒ大学(スイス)/パリ大学(フランス)/カイロ大学(エジプト)/ヴッパータール大学(ドイツ)

史学専攻

ダラム大学(イギリス)/ランス大学(フランス)/ダブリン大学(アイルランド)/フィレンツェ大学(イタリア)/ナポリ東洋大学(イタリア)/メキシコ国立自治大学(メキシコ)/ライプツィヒ大学(ドイツ)/ロンドン大学(イギリス)/中山大学(中国)/慶北大学校(韓国)/西南大学(中国)/南開大学(中国)/復旦大学(中国)/エーズ大学(イギリス)/武漢大学(中国)/北京大学(中国)/ケンブリッジ・リージョナル・カレッジ(イギリス)

日本語日本文学専攻

モナシュ大学(オーストラリア)/オックスフォード大学(イギリス)/ヴィクトリア大学(ニュージーランド)/ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)

英語英米文学専攻

ウォリック大学(イギリス)/ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)/イーストアングリア大学(イギリス)/インディアナ大学(アメリカ)/ケント大学(イギリス)/ランカスター大学(イギリス)/エセックス大学(イギリス)/ヨーク大学(イギリス)/グリンフィス大学(オーストラリア)/オックスフォード大学(イギリス)/ロンドン大学(イギリス)/リーズ大学(イギリス)/ダブリン大学(アイルランド)

ドイツ語ドイツ文学専攻

ハノーファー大学(ドイツ)/ボン大学(ドイツ)/ウィーン大学(オーストリア)/オスナブリュック大学(ドイツ)/ミュンヘン大学(ドイツ)/ザルツブルグ大学(オーストリア)/マンハイム大学(ドイツ)/ベルリン工科大学(ドイツ)/バンベルク大学(ドイツ)/ケルン大学(ドイツ)/ジーゲン大学(ドイツ)/ベルリン自由大学(ドイツ)/エアフルト大学(ドイツ)/ユリウス・マクシミリアン大学ヴェルツブルグ(ドイツ)

フランス文学専攻

ジュネーヴ大学(スイス)/パリ第8大学(フランス)/グルノーブル大学(フランス)/フランス国立科学センター(フランス)/ナント大学(フランス)/リヨン第2大学(フランス)/パリ第7大学(フランス)/パリ第4大学(フランス)/ソルボンヌ文明講座(フランス)

環境と設備

図書や資料については、学習院大学の長い歴史における蓄積もあり、極めて充実したものとなっていることは言うまでもありません。

加えて特筆すべきは、大学院生のために多くのスペースが用意され、日常の研究を研究科がしっかりとフォローしているということです。北二号館の各フロアには、それぞれの専攻の院生室が用意され、大学院生の利用できるパソコンロッカーが置かれています。また東一号館にも、各専攻ごとに研究科研究室が設置されており、研究会や自主ゼミなどに活用されています。

大学院生に充実した設備をしっかりと用意している大学は案外少なく、近隣の大学院生たちが勉強会を行う時に本学がその場所となることもしばしばです。余裕をもった施設を通じて大学院生の研究を支えているというのも、人文科学研究科の自負するところです。

他大学・研究機関との交流

人文科学研究科は、慶應義塾大学、早稲田大学、中央大学の各大学院と相互交流協定を結んでいます。

日本語日本文学専攻については、日本女子大学大学院の授業を、フランス文学専攻については、それ以外の7大学の大学院の授業を履修して単位に算入することができます。また、国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、日本近代文学館等が主催する講座や研修会があり、それらに参加して修得した学業を、人文科学研究科カリキュラムの単位とすることも可能です。

そうした枠組みにおいてだけでなくさまざまの機会において、他大学大学院の学生も、本学の教員や院生と研究交流を行っており、学会や研究会、講演会なども活発に開催されています。

専攻 交流先
全専攻前期課程共通 慶應義塾大学大学院/早稲田大学大学院/中央大学大学院/学習院女子大学大学院
日本語日本文学専攻 日本女子大学大学院
フランス文学専攻 青山学院大学大学院/白百合女子大学大学院/上智大学大学院/獨協大学大学院
武蔵大学大学院/明治学院大学大学院/明治大学大学院
学外研究機関
([]内は対応専攻名)
国立歴史民俗博物館[哲学・美術史学・史学]
国文学研究資料館[哲学・美術史学・史学・日本語日本文学]
国立民族学博物館[哲学・美術史学・史学]
国際日本文化研究センター[哲学・美術史学・史学]
日本近代文学館[哲学・美術史学・史学・日本語日本文学