2011年度 白田が担当する経営数学の授業一覧

○		[3,4年次と大学院]
	マルチメディアと数学1:制約付き最適化問題のビジュアライゼーション
	マルチメディアと数学2:主成分分析など多変量解析のビジュアライゼーション
		Webのクチコミの分析,
	金融工学の数学の初歩のビジュアライゼーション
債券価格の4変数関数を3次元グラフィクス化したようす.
  1. 債券数学の視覚化の論文1
  2. 債券数学の視覚化の論文2
○経営入門演習	[経営学科1年のみ]
	基礎1の前半を行います.
○経営数学1,2	[1年から4年次]
	高校数学の復習から初めて,制約付き最適化問題まで


CGの3次元イメージによる視覚的解法 2010年度ICT利用による教育改善研究発表会ppt 高校数学でつまづいた人も,コンピュータ上で 2-3次元イメージを描くという本講義で,数学の 世界に新たな船出をして下さい.講義の特長は 以下の通り:  (1)数学問題をスクリーン上で視覚的に解くこと,  (2)一人1台のコンピュータ環境,  (3)1クラス10人程度の徹底した少人数教育 (経営数学基礎1,2のみ. 経営数学1,2は立ち講義なので3次元コンピュータ イメージなどの教材は先生の説明を見るのみ)  (4)私が開発したコンピュータソフト教材の利用,  (5)ヘルプデスク開設      分からないところを聞きにいくことができます。 Q: どうしてコンピュータを使うのですですか? A:本講義では,Mapleというソフトウェアを使って, 学生が自分自身で2次元,3次元のグラフを描くことが メインです.グラフを使い,視覚的に数学問題を解き ます.3次元のグラフイメージを自分で動かしながら, その数学関数がどのような値の変化をするのかを確認, 分析できます. 難しい計算はコンピュータに任せてしまい,結果の グラフィクスを見て,問題の解答の意味を理解する ことに注力します. Mapleを直接使う方法のほか,白田自身が開発した "e-Math EBL" というWeb教材自動生成システムがあります. これで生成したWeb教材も授業で使います. このWeb教材にも3次元グラフが多用されています.

<少し補足説明>
従来の講義では,代数学的な解法(計算して答えを
求める方法です)がメインでありますが,経営数学基礎
1,2で扱う問題は,殆ど
	(1)視覚的解法,と
	(2)代数学的解法
の2つの方法で解くことができます.

Q:数学もコンピュータも分からないので,自分が付いていけるか心配です.
A:まじめな態度であれば,先生は親切に丁寧に接します.
これが少人数教育のいいところだと思います.たとえあなたが
数学プロセスを理解できなくても,先生の言うとおりにオペレー
ションを行ない,グラフイメージをスクリーンに表示し,視覚的に
解を得ることは可能です.ここまでは誰でもできますので,
安心してください.
グラフィクスを見れば,数学的に何を言っているのかがだんだん分
かってきます.数学に慣れてくるのです.

<以下は,1年生には少し難しいかもしれない説明ですが...>

Q:ポリアの教授法って何ですか?
A:ポリアは,とても有名な数学者で,既にお亡くなりに
なったかたです.
ポリアの数学教授法は,知る人ぞ知る,大変有名なものです.
学生に数学を教えるときの良い質問のしかたや,問いかけの
しかたを,4つの問題解法ステップに合わせて,多数提案し
ています.私の授業でも,問題を解くステップとして,ポリア
の提案するフレームワークを利用しています.目指すことは,
学生の皆さんが,新たな経営数学の問題に出合ったとき,
それを自力で解けるように,経営数学問題全般を解くスキルを
養うことです.

Q: 先生,推論による問題解法アプローチって何ですか?
A: 
[推論エンジンシミュレーション法]

私自身がコンピュータ・サイエンティストであり,自分で
数学e-Learningシステムや,Prologで経営数学用推論システムを
開発することが好きで,実際,作って授業に使っています.
コンピュータに推論を行わせるためには,まず,経営知識
データベース,と,数学知識データベースの両方を構築する
必要があります.そして,そのデータベースの中に,知識を
ルール(あるいはセオリー)として,たくさん蓄積していきます.
ここまでが準備です.
何か経営数学問題が与えられたとき,文章題の中のキーワードを
検索キーワードとして,その2種類のデータベースに検索をかけます.
検索して求まったルールに対して,現在の解こうとしている問題
のデータを当てはめていき,最終的にほしい解を得ます.
この方法は,推論システムだけでなく,人間にも適応できます.
もちろん,人間のほうが,複雑なキーワードの関連づけが可能
ですから,推論システムよりもはるかに難しい検索や関連づけが
可能となります.
授業では,「今,必要としているルールは,経営の知識データ
ベースにありますか? それとも,数学の知識データベースに
ありますか?」というように,問いかけをしています.
講義では,複雑な数学問題でも解けるように,ルールを関連付
ける練習をつんでいきます.

(白田由香利 教授)

  1. 英語の論文 [学習院大学経済論集]
  2. 日本語の論文 日本経営数学会 全国大会論文集 2009年6月7日
  • 学習院大学経済論集はすべて無料でWEB公開されています。 "白田"で検索すれば,数学関連e-Learningシステムの論文が多数見つかります.
  • CiNiiでの検索:(白田由香利 OR Yukari Shirotaで検索) http://ci.nii.ac.jp/naid/
  • 情報処理学会 BookParkで検索:(白田由香利 OR Yukari Shirotaで検索) http://www.bookpark.ne.jp/ipsj/
    * 推論エンジンをベースとした経済数学教授法, 2009年7月  Vol.2009-DBS-148 No.10
 
最後に一言:
今までの方法とは異なる新しい
教授法で経営数学を教えています.
新しい点は,
視覚的解法を教えること,および,
推論による問題解法アプローチを
教えること,です.
理想は高く,
目指すはオックスフォード大学
などの少人数による数学の指導です.
(私は2006年度,長期海外研修で
オックスフォード大に行っていました)
経営学特殊講義「経営数学基礎1,2」は,
少人数教育ですので,先生に質問する時間
もたっぷりあります.
人間(機械でない)との対話により,
落ち着いて学問をする,という環境を
提供できれば,と念じています.