研究項目A01 極限機能開拓
極限環境、特に高圧力、強磁場における分子性導体の新奇な電子物性の探索をX線構造解析、電子輸送特性測定、光学測定、磁気共鳴実験を駆使して行ない、その発現機構の解明と可制御性の追求を通して、新電子機能開拓への新たな道筋(極限環境アプローチ)を切り拓く。


研究項目A02 ハイブリッド系機能開拓
 伝導電子と局在スピンが共存するπd系における、伝導と磁性の絡んだ新機能の開拓と新物質の開発、人工構造系における電界効果ドーピングを用いた伝導現象の制御や界面の電子状態の解明などを通じて、伝導をスピンや電界によって制御した新しい複合機能の創成を目指す


研究項目A03 新機能探索
 超伝導、特異な半導体相、電荷秩序とそのゆらぎなど、分子性導体の多様な伝導性について主に物質をパラメーターとする系統的な解析を行い、新規相転移の創造、新機能の開拓を目指す。あわせて、極限環境、ハイブリッド系における新機能開拓のための基礎データの収集、新規に開発された分子性導体の高精度なキャラクタリゼーションを行う。


研究項目A04 物質合成
 卓越した合成技術を基盤として、π電子系化合物の構造・物性を分子レベルで制御し、(i) 高温超伝導体・超高伝導性金属・純有機単一成分金属といった未開発分子性物質の創製と(ii) 新たな環境下で新電子相を発現できる分子システムの構築を目指す。


研究項目A05 新物性の理論
 分子性導体の特性を生かした超伝導はもとより、新規な常伝導をどのような機構で発現させるかについて、第1原理計算や多体相関の手法を用いて理論的に研究し、極限環境やハイブリッド系での新機能を目指した物性実験に対する解析や予測を行う。