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数学:物理を学び楽しむために
更新日 2024 年 3 月 18 日
(半永久的に)執筆中の数学の教科書の草稿を公開しています。どうぞご活用ください。著作権等についてはこのページの一番下をご覧ください。
これは、主として物理学(とそれに関連する分野)を学ぶ方を対象にした、大学レベルの数学の入門的な教科書である。
高校数学の知識を前提にして、大学生が学ぶべき数学をじっくりと解説する。
最終的には、大学で物理を学ぶために必須の基本的な数学すべてを一冊で完全にカバーする教科書をつくることを夢見ているが、その目標が果たして達成されるのかはわからない。
今は、書き上げた範囲をこうやって公開している。
詳しい内容については目次をご覧いただきたいが、現段階では
■ 論理、集合、そして関数や収束についての基本(2 章)
■ 一変数関数の微分とその応用(3 章)
■ 一変数関数の積分(4 章)
■ 常微分方程式(5 章、8 章)
■ 座標、ベクトル、線形代数(6 章、7 章)
■ ベクトル解析(10 章)
の各テーマについては、ほぼ完成しており、市販されている(優れた)教科書に匹敵する品質になっていると考えている。
これらの分野について学習する方、また、講義や演習を担当される方は、本書を教科書・参考書として用いることを検討してみていただきたい。
2020年3月にようやくずっと懸案だった4章後半の積分の計算の部分を書いたので、(当面の)残りは多変数関数の微分と積分についての9章だけになった。
これもなんとか執筆したいとは思っているのだが、さて、どうなるのだろう?(前書きより)
「物理をやりたくて大学に入ったのに、どうしてこんなに数学をやるんだ」という声を、毎年のように大学一年生から聞く。
われわれの答は、決まっている。
「必要だから。」
物理を語るための言語が、物理を学び研究するための基本の技術が、物理を楽しむための基礎体力が、数学なのだ。
凡庸(ぼんよう)なたとえだけれど、数学という基礎技術なしに物理の世界に入りこむのは、登山の技術ゼロで高い山に探検にいくようなこと、あるいは、水泳経験ゼロで大海原に泳ぎ出すようなことである(脚注:たとえ登山技術ゼロでも、実際に山に行って試行錯誤をつづければ、いずれは登山に必要な体力もつくし、登山の方法を独自に編み出せるはずだと反論する人がいるかもしれない。
それは完璧に正しい。
人類は、まさにそうやって試行錯誤しながら物理や数学を発展させてきたのだ --- 猛烈に長い時間をかけて。)。
だから、数学を学ぼう --- 物理を学び、語り、そして、楽しむために。(1章の冒頭より)
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拡大版は文字が大きく数式の改行が多い以外は全て通常版と同じ内容です。
改訂のたびにファイル名は変わります。リンクしていただく場合は、ファイルにではなく、このページにリンクをはってください(最終更新日 2024 年 3 月 18 日)
最近の主要な更新履歴:
ツェルメロの定理に関連して、2023年10月に arXiv にあがった「オセロを解決した」とする論文で用いられた(と思われる)基本的なロジックの解説を 2.1.4節の脚注 46 に加えた。
(2023 年 11 月 6 日)
久しぶりに本格的に加筆した(この勢いで 9 章も書き上げたい…)。
通常版の目次では項目を小節まで表示するようにした。自分でもどこに何が書いてあるかわからなくなったので。拡大版でそれをやるとページ数が増えすぎるので、拡大版では以前の通り節までだけを表示している。
有理数を扱った 2.2.2 節の最後の「物理量は実数なのか?」という議論を大幅に拡充した。まだ書き足りないのだが、こういうのは書いているとキリがないのでまずはこんなところか。
2.2.6 節に「次元(単位)を持った量」をどのように数学的に定式化するかという話を書いた。面倒なだけで面白くないので書かないでいいと思っていたのだが「単位のついた数というのは物理学者が勝手に使っているだけで数学的に厳密じゃない」みたいな誤解があるみたいなので(我慢して)書いた。これに伴って、頭出し的にこの話題を扱っている 1.3.4 節にも少し手を入れた。
新たに、デルタ関数を手際よく解説した 4.1.5 節を追加。物理の講義で急にデルタ関数が出てきて戸惑ったときには役に立つのではないかと思う。
(2024 年 3 月 18 日)
詳しい更新履歴はこちら。
この本の著作権は田崎晴明にある。
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田崎晴明
学習院大学理学部物理学教室
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