「現代物理学」2011年度

物理学における「時間」

レポートの表紙

これをダウンロードして印刷し、表紙にしてください。


「大森荘蔵の時間論のごく一部」 (2011/5/15)

「実数の構成」についてのまとめ(2011/5/8)

「エーレンフェストの壺」の \(N_{\rm L}\) の時間変化のグラフ。 講義とは微妙に定義が違って、乱数に 0 が含まれないバージョンになっている(2011/7/4)


どのような物理的な現象を考えても、その背後ではかならず「時間」が流れている。 この講義では、さまざまな物理学の体系、現象のなかで、「時間」がどのように扱われ、どのような役割を果たすかを見ていこう。

ニュートン力学、特殊相対性理論、量子力学などの物理学の基本的な体系のなかで、時間がどのように定式化されるのか、また、それが現実の現象とどう関わるのかを考えていく。 さらに、カオス現象などの非周期的な現象や、大自由度系での「不可逆な」現象などについても論じながら、「時間にはなぜ向きがあるのか?」という問題にも触れてみたい。

もちろん、これは普通の物理学の講義なので「時間とはなにか」についての本質的な答が得られるわけではない。 そもそも、そういった「哲学的」な問いは立てない。

新しい物理的概念や数学的道具は丁寧に解説する予定だが、それでも、一年生にはやや敷居の高い講義になるだろう。さらに、この講義では、必修の物理や数学に飽きたらず、それらを越えて物理学(や関連する分野)を学びたい学生さんを想定していることを強調しておきたい。講義の内容を含むような教科書や参考書は(おそらく)存在しないので、しっかりと出席して学習する必要がある。レポート問題も自分で理解してしっかりと考えなければ解けないはずだ(そもそも大学で「調べれば解ける」ようなレポートを出題することが問題なのだが)。

単に「レポートだけで単位が取れる」というつもりで履修すると後で後悔する可能性がきわめて高いことを注意しておきた(実際、以前の履修者で「ひどい目にあった」という率直な感想を書いてくれた学生さんもいた)。

また、この講義ではレポートだけで評価を行なうので、いわゆるレポートの「丸写し」については厳しく対応したい。「丸写し」を行なうことはもちろんだが、その原因を作る行為(たとえば、解答を配布したり、ネット上に公開すること)にも同様に対応する。


言うまでもないことかもしれませんが、私の書いたページの内容に興味を持って下さった方がご自分のページから私のページのいずれかへリンクして下さる際には、特に私にお断りいただく必要はありません。
田崎晴明
学習院大学理学部物理学教室
田崎晴明ホームページ

hal.tasaki@gakushuin.ac.jp