最初はごく簡単な確率モデルから出発し、個々の要素を支配する法則がきわめて単純でも、すべての要素をあわせたマクロな系は自明とはほど遠い新しいふるまいを見せることを体感してもらうつもり。 そこから、徐々に関連する物理に踏み込んでいきたい。 新しい物理的概念や数学的道具は丁寧に解説する予定だが、それでも、1 年生にはやや敷居の高い講義になるだろう。さらに、この講義では、必修の物理や数学に飽きたらず、それらを越えて物理学(や関連する分野)を学びたい学生さんを想定していることを強調しておきたい。講義の内容を含むような教科書や参考書は(おそらく)存在しないので、しっかりと出席して学習する必要がある。レポート問題も自分で理解してしっかりと考えなければ解けないはずだ(そもそも大学で「調べれば解ける」ようなレポートを出題することが問題なのだが)。
単に「レポートだけで単位が取れる」というつもりで履修すると後で後悔する可能性がきわめて高いことを注意しておきた(実際、以前の履修者で「ひどい目にあった」という率直な感想を書いてくれた学生さんもいた)。
また、この講義ではレポートだけで評価を行なうので、いわゆるレポートの「丸写し」については厳しく対応したい。「丸写し」を行なうことはもちろんだが、その原因を作る行為(たとえば、解答を配布したり、ネット上に公開すること)にも同様に対応する。