東アジア比較私法学 プログラム
招聘研究者

Herliana

職歴
1999年8月
~現在
Lecturer of the Faculty of Law,
Gadjah Mada University, Jogjakarta, Indonesia
2007年8月
~現在
Lecturer of the International Undergraduate Program of the Faculty of Law,
Indonesia Islamic University, Jogjakarta Indonesia
2007~現在Researcher at Centre for Intellectual Property,
Competition Law and Dispute Settlement Gadjah Mada University

研究テーマ
インドネシアによる日本の「和解」「調停」システムの導入

概要
インドネシアの裁判では、裁判所の果たす役割が大きい。
そのため、長期間の遅延や高い訴訟費用が最大の課題となっている。

インドネシアの民事訴訟法は、裁判当事者が争っている問題を友好的に解決できるように、
裁判官に権限を与えているので、裁判手続き通りの手続きを行わないことがある。


これは、インドネシア語で“perdamaian”、日本語で「和解」と呼ばれている。
その失敗を考慮して、インドネシアの最高裁は、
日本の調停を併用した裁判方法を参考にした規則を法律で定めた。


立法から7年経ったが、調停を併用した裁判はまだ十分な成果を上げていない。

これは、ほとんどの民事訴訟が調停では解決できず、
訴訟による救済を目指していることを意味する。

その結果、インドネシアの裁判は裁判所の果たす役割が大きく、
費用が高いだけではなく、裁判所が不正を働く傾向にある。

一方、日本では、和解や調停をうまく適用しており、
そのため、日本の裁判所の判決数は管理できている。

今回の調査では、人々が和解と調停に信頼を置いていることにより、
和解と調停が日本の裁判でどのような役割をはたしているのか考察することを目的とする。


これは、和解と調停に対する社会の見方だけでなく、
法学的見地による裁判手続きの考察によって達成されるだろう。

また、今回の調査は、日本の裁判所と法学研究所を考察することにより、
インドネシアの裁判所と法学研究所が問題を解決するために
何をすべきかという有効な観点を与えるだろう。
目標・今回の調査の重要性
この調査の目標は、以下のことを日本の経験から学ぶことである

  • 裁判官は和解と調停を効果的に適用するためにどのような役割を果たすべきか
  • 社会が高い信頼を置く和解と調停にはどのような仕組みが用いられているのか
  • 和解と調停を通して問題を友好的に解決するために果たす法律学の役割とは何か
  • いつの日本の政府が管理できる水準で裁判判決数を維持したか、
  • また、どういった政府が管理できる水準で裁判判決数を維持すると思われるか
  • 調停と和解が広まることで、何が改善されるか

この調査は、インドネシアの裁判の課題を軽減するため、
つまり裁判所の果たす役割を縮小するために、重要である。
そしてその結果、裁判は裁判期間が短縮され、
不正が減少し、より効果的で、より利用しやすくなる。
さらに、訴訟の友好的な解決を促進することは、社会生活に調和をもたらす助けとなるだろう。