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レーザープラズマ真空紫外光源の製作と校正と調整
荒川研究室
92-041-002 阿部彰雄
荒川研では、励起子生成に起因する希ガス固体からの粒子の電子遷移誘起脱離に関する研究を行ってきた。電子遷移誘起脱離の実験には励起源として、光、電子線などを使用する。光衝撃脱離の実験にはシンクロトロン放射光を用いていたが、同様の実験を研究室で行えるよう、現在レーザープラズマを用いた真空紫外光源を製作中である。装置本体のレーザー導入部の製作ならびに光源の強度、波長校正、分光器の分解能の測定に必要な校正装置の調整を行った。
レーザー導入部は反射鏡、光学レンズ、それらの微調整機構、入射窓からなる。使用するレーザーはNd:YAGレーザー(パルスあたりの最大エネルギー210mJ、パルス幅6-7nsec、繰り返し周波数50Hz)の倍波で波長532nmであり、ビーム径は約10mmである。これまでの実験では、レーザーの反射鏡は高エネルギー用ではなかったため鏡面が熔けたので、今回はYAG倍波レーザ用45゜全反射ミラーを使用する。また、焦点距離60cmのレンズによりターゲット上では面積比にして1/1000程度、パワー密度で10-100(J/mm2)程度に集光する。入射窓の段階でも面積比で1/2程度に集光されるため、いままで使っていたガラス製ではなく合成石英製の平行平面基板を入射窓として使用する。Fig.1に導入部の簡単な図を示す。
光源としての装置の性能を調べるため、まず希ガスの第一イオン化エネルギーに相当する波長領域での光子数、波長の校正、分光器の分解能の測定を行った。