文学部について

学部長のメッセージ

「文学部」は「文学」部?

みなさん、こんにちは。この小事典を開いてくださってありがとうございます。
わたしたち文学部の人間は、哲学、美学、史学、文学、言語学、地域文化研究、心理学、教育学といったそれぞれの専門をとおして、究極的には人間を研究しているといえるでしょう。
ある英国の詩人は‘The proper study of mankind is Man.’(人間本来の研究対象は人間自身だ)といいましたが、折しも現在、人工知能が急速に進化する中で、 人間が人間であることの意味が問い直されています。
みなさんも、文学部にいらっしゃれば何らかの形で人間を研究することになります。
そんな文学部での学びを支えるのは、ことばの力です。
文学部の各学科が、1年次の基礎的な演習から締めくくりの卒業論文・卒業研究まで、 みなさんの読み、書き、聞き、話す力を高めるカリキュラムを組んでいるのもそのためです
。 ことばによって、人間は世界の人々とつながり、過去の人々とつながることができます。
そして時間を超えて過去を知ることと、空間を超えて世界を知ることとは似ていなくもありません。
‘The past is a foreign country: they do things differently there.’(過去は異国だ。そこでは風俗も習慣も異なる)と書いた英国の小説家もいました。
ことばによって、人間は未来を構想します。人間は仮定法が使えるお蔭で、あんな馬鹿なことをしなければこんなことにはと後悔したり、 最悪の事態になったらどうしようと不安におののいたりする一方で、あれさえあればとか、これさえなければとか、もしも自分があの人だったらとか、 もしもここがあそこだったらとか、自由に想像の翼を広げる力をもっています。
想像をたくましくすることは、〈いま、ここ〉にないものを創造する力の源です。
時空を超えて人間を研究することは、その普遍性と多様性を知ることです。やっぱり同じ人間だなあと頷かされ、 同じ人間なのにいろいろだなあと驚かされることです。
驚いてばかりいないで仮定法で考えれば、過去から現在に至る人間の多様性は、 すなわちわたしたちの未来における可能性にほかなりません。
さあ、哲学科、史学科、日本語日本文学科、英語英米文化学科、ドイツ語圏文化学科、フランス語圏文化学科、心理学科、教育学科の、いずれでも結構です。
お好みの学科のページを開いてみてください。同じ学科の中にも専門を異にするいろいろな(教員という名の)人間がいます。
一見専門が同じでも、興味や関心はまちまちです。ついでに、前や後ろの学科のページもめくってみてください。もっともっといろいろな人間が出てきます。 文学部に入っていらっしゃるみなさんがこの小事典を活用されて、文学部での学びについて、また、みなさんがことばの力を養い、 〈いま、ここ〉にとらわれない自由な精神を獲得するのをお手伝いするわたしたち文学部の人間について、少しでも具体的なイメージをもっていただければ幸いです。
うまくすると、人間研究の第一歩になるかもしれません。

文学部長 眞野泰
(令和6年4月 文学部長就任)

教育研究上の目的

文学部の行う教育の目標は、人文科学諸分野の研究内容を理解し、研究方法を取得した学生自らが、人文科学研究の創造を行うところにあります。文学部各学科で文化創造の経験をさせることによって、社会の一員として、社会全体の文化を考え、文化を支え、文化を創造する担い手を育てることを目的としています。

特色・方針

学習院大学は、1949年に新制の大学として開設されました。当時は、文政学部の中に文学科と哲学科だけがありましたが、
その後数回の改変と拡大によって、現在では、次の8学科を擁しています。

哲学科
【95名】
あらゆる人文科学の根本にある哲学を学ぶ。哲学・思想史系と美学・美術史系が相互に連携
史学科
【95名】
歴史に対する幅広い視野と自由な問題関心とをもち、きめの細かい指導により主体的に研究していく態度を養う
日本語日本文学科
【115名】
古代から現代に至る長い歴史を持った日本の文化を縦横に研究。日本語教育のエキスパートも養成
英語英米文化学科
【115名】
単なる語学研究の枠に収まらない文学・言語学研究を推進。英文学・米文学・英語学の3分野を幅広く学ぶ
ドイツ語圏文化学科
【50名】
言語・情報、文学・文化、現代地域事情の3コース、ならびに通訳・翻訳者養成のための特別プログラムを設置
フランス語圏文化学科
【65名】
言語・翻訳、舞台・映像、広域文化、文学・思想、の4コース制で多様な文化事象を広く学ぶ
心理学科
【90名】
基礎から最新の知識までを組織的に学べる独自のカリキュラムで、優秀な心理学エキスパート育てる
教育学科
【50名】
2050年の社会を見すえ、次世代を担う子どもたちを育てる資質と能力をそなえた小学校教員を養成する
※2020年度より定員が変更になります。

文学部の各学科は、いずれも基礎的な教育を重視しており、学生は、まずその研究領域における基本的な考え方や基礎的な知識を習得するように指導されます。そのような基礎に基づいて、より専門的な研究に取組むことができるのです。本学部では、ほとんどの学生にとって卒業論文が必修になっていますが、最終学年において、教員の懇切な個別指導のもとで研究を行って、論文を書きあげます。 各学科のカリキュラムは、教育的・組織的に構成されており、さまざまなテーマに関する講義が設けられているとともに、少人数のクラスでの演習・ゼミが数多く用意されています。当然のこととして外国語は重視されており、2カ国語以上の学習が必修になっています。また、ひろく一般的な教養を身につけるために、自分の専攻する学科の専門以外の科目を、自由に履修することがすすめられています。

学生は入学したときから、各学科の図書施設や研究室を十分に使用することができます。蔵書は非常に豊富です。各学科の研究室をはじめ学内には、パソコンなど情報処理の機器も整備されています。

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)及び入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)について

3つのポリシー(DP・CP・AP)

学部在籍者数

(2023年4月現在)

合計
入学定員 95 85 110 115 50 80 90 50 675
在学生数 397 411 464 496 225 306 387 192 2,878
専任教員数 10 11 12 12 7 7 10 12 81

大学院在籍者数

(2023年4月現在)

合計
入学定員(博士前期) 10 10 15 20 10 5 5 6 12 20 15 10 138
入学定員(博士後期) 3 3 3 3 3 2 2 2 3 5 3 3 35
在学生数 16 26 37 24 15 7 9 2 39 25 15 25 240
専任教員数 5 5 7 12 10 6 5 5 5 12 5 5 82