銅鏡(林コレクション) 一覧
変形羽状地文鏡へんけい うじょう じもん きょう
戦国/直径:7.8cm/重さ:72g
円形を呈し、無文で浅い匕縁をもつ。
小さな弓形(半環状)の三稜式の鈕(三稜鈕)をもち、鈕座は無文の圈帯(凹面圈帯)で表現された円形鈕座である。
鏡背はその全体を変形羽状地文で飾られる。縁部や鈕・鈕座の形態、鏡背の文様や構図、
あるいは鏡の大きさ・厚さなどからみて、典型的な戦国時代の羽状地文鏡と考えられる。
蟠螭文鏡ばん ち もん きょう
戦国~前漢前期/直径:11.9cm/重さ:103g
円形を呈し、無文で浅い匕縁をもつ。小さい弓形(半環状)の三稜式の鈕(三稜鈕)をもち、鈕座は二重の圈線(圏帯)によって表現された円形鈕座である。紐座の内側は精緻な渦粒状の羽状地文で飾られる。
鏡背は精緻な渦粒状の羽状地文のうえに主体的なモティーフとして凸線(凸帯)で表現された蟠螭文が飾られる。
蟠螭文の一部と紐座の二重圈線(圏帯)の一部が絡み合うような意匠となっており、こうした例は非常に珍しい。
星雲鏡せい うん きょう
前漢/直径:13.1cm/重さ:355g
円形を呈し、連弧文(十六連弧文)で飾られた縁部をもつ。紐はいわゆる「連峰紐」で、
小さい連弧文(十六連弧文)などで飾られた円形紐座をもつ。鏡背は8つの小乳から構成される花弁乳が4つ飾られるとともに、
6つの小乳を一組とした「星雲文」で飾られる。文様の構成、意匠、つくりともに非常に精緻なものとなっており、
前漢期における銅鏡製作技術の高さを物語る。
「大楽貴富」銘規矩蟠螭文鏡たいらく き ふ めい き く ばん ち もん きょう
前漢/直径:12.7cm/重さ:166g
円形を呈し、無文の浅い匕縁をもつ。小さい弓形(半環状)の三稜式の鈕(三稜鈕)をもち、鈕座は二重の細い凸線によって表現された方格紐座である。方格紐座の二重凸線の間には「大樂貴富得所好千秋萬歳延年益壽」の
銘文(いわゆる「大楽貴富」銘)が右まわり(時計まわり)に配される(方格銘帯)。鏡背には渦粒状の羽状地文のうえに
主体的なモティーフとして細い凸線で表現された蟠螭文と規矩文がそれぞれ飾られる。
「長楽未央」銘規矩草葉文鏡ちょうらく びおう めい き く そう よう もん きょう
前漢/直径:15.8cm/重さ:325g
円形を呈し、連弧文(十六連弧文)で飾られた縁部をもつ。半球形の円紐と方格紐座をもち、
方格紐座のなかには4つの草葉文が飾られる。方格紐座の外側には「大上富貴 長楽未央」の銘文(いわゆる「長楽未央」銘)
が右まわり(時計まわり)に二文字ずつ配される。鏡背には主題的なモティーフとして規矩文が飾られ、
そのほか4つの乳や草葉文などが飾られる。