物理学科で学ぶこと
自分の手を動かし、自分の目で見て、自分の頭で考える。
物理学の基礎をしっかりと身につけ、「物理のプロ」として新しい物理が作られる現場を体感します。
世界にひそむ「普遍性」を理解し制御するのが物理学です
私たちのまわりの世界はとても複雑です。小さなスケールには、目に見えない分子・原子・素粒子の世界が、大きなスケールには、人が決して到達できない広大な宇宙が、そして私たちのまわりの中程度のスケールには、驚くほど多様な性質・現象を示す無数の物質や、神秘に満ちた多彩な生命の世界が広がっています。このような目のくらむほど多様で複雑な世界の中から、大胆で精緻な実験や考察を通して、人の主観や感覚に左右されない普遍的な法則を探り出すのが、物理学です。そして、そのような普遍性の理解に基づいて、世界の新しい見方を提示し、また、新たな現象や物質を作り出すのも、物理学です。
物理学は、今でも発展をつづける未完成の学問です
物理学は前世紀に奇跡的ともいえる発展を遂げましたが、それでも、多様で驚くべき世界のごく一部に光があたっただけです。物理学の研究者たちは、未開拓の領域に新たな光をあてるべく、あるいは、まだ人の知らない物質や現象を創り出すべく、様々な野心的な実験や理論的考察を進めています。
物理のプロとして 世界に接する姿勢を身につけます。
一流の研究者たちといっしょに物理の世界を歩きます。
8研究室に16人の教員という小規模な物理学科ですが、研究レベルの高さは広く知られています。私立大学の小規模な物理学科でここまでのレベルを達成しているのは、極めて例外的なことです。物理学科の教員は、学生のことを、いっしょに物理の世界を歩く「仲間」と捉えています。学生に頼もしい「仲間」になってもらうため、1年生のときから、物理の基礎的な知識だけでなく、「自分の手を動かし、自分の目で見て、自分の頭で考える」という重要な姿勢を重視したきめの細かい教育をします。
本当の意味での少人数教育がここにあります
一学年の定員48名に対して教員が16名(教授・准教授・助教)というのは理想的な比率でしょう。そもそもクラスの人数が少ないので、活発な学生はすぐに教員と顔見知りになります。1年生のあいだから研究室を訪れ質問や雑談を楽しむ学生も少なくありません。
卒業研究で生きた物理の最先端に接します
4年生の全員がいずれかの研究室のメンバーになり、最先端の本格的な研究に参加します。多くの4年生が、時の経つのも忘れて生き生きと研究に没頭していきます。時には、4年生が立派な成果をあげて学会や国際学会で発表することもあります。
1、2、3年次
物理学の基礎を学びながら「自分の手を動かし、自分の目で見て、自分の頭で考える」姿勢を身につける
主な科目。
一般物理学 | 力学基礎1,2 | 基礎化学、基礎生命科学 |
数学I-V | 電磁気学1,2,3 | 光学 |
原子物理学概論 | 解析力学 | 量子力学1,2,3 |
熱学および統計力学1,2,3 | 物性物理学1,2,3 | 数値解析および計算機 |
基礎科学実験1,2 | 物理実験1,2,3 | 物理学数学演習1,2,3 |
以上のほかに、
専門選択科目、
教養科目、
外国語科目、
情報科目、
体育を履修します。また、教員免許を取得する人は
教職科目、学芸員資格を取得する人は
博物館に関する科目を履修します。
4年次
卒業研究に専念します。
卒業研究は、物理学科の学生にとって4年間の締めくくりとなる重要な活動です。
1つの研究室に1年間所属し、特定のテーマについての研究を行います。テーマは純粋物理学から応用物理学まで広範囲です。
8つの研究室中5つの実験分野の研究室では、
・結晶工学 ・表面物理学 ・物性物理学 ・生物物理学 ・
量子光学などを
理論分野の3研究室では、
・数理・統計物理学 ・物性物理学 ・相対論・宇宙物理学などを主に研究しています。
卒業研究の成果は、全員が
卒業研究発表会で発表します。
また、卒業論文にまとめたり、国内外の学会・研究会で発表することもあります。
4年次のもう一つの重要なイベントに「
大輪講」があります。「大輪講」は、物理学科の教育姿勢を端的に物語る科目の一つであり、4年生全員が自分の卒業研究に関連する文献を読み、学生やスタッフ全員の前で発表します(発表スライドの例を
こちらでご覧いただけます)。物理の内容の理解を深めるだけでなく、プレゼンテーションの技術をトレーニングする機会にもなります。発表する学生の味わう緊張感は並大抵のものではありませんが、社会に出てから大輪講がもっとも思い出深く、また役に立ったと語る卒業生も少なくありません。