異文化理解と多元的世界
  グローバル化と文化の境界線

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
大貫 敦子 教授・他 4   通年 3

授業の目的・内容

グローバル化の進展によって、いま何が起きているのでしょうか。たしかに金融や物流の次元では、地域や国家の境界線の意味は次第に低くなっています。しかしその反面で、グローバル化によってますます豊かになる勝者と、ますます貧困に苦しめられる敗者との格差は、拡大しています。ボーダレスといわれる時代にあって、グローバル化の勝者と敗者の間に生じる超えがたい境界線が大きな問題となっています。2001年9月11日の出来事は、まさにそれを物語っています。グローバル化の圧倒的な勝者の思考が「正義」の名のもとに支配力を持つ現在の状況を、もういちど検証してみる必要があるでしょう。この講義では、イラク、パレスティナ、アフリカのアクチュアルな状況を知る研究者やジャーナリストを招いて、「今」の問題を考えてみたいと思います。
またその一方で、国家という境界線が持つ暴力性について考えてみることが二つ目の重点となります。国家という枠組みが形成されると、どのように「異なった文化」が扱われることになるのか、という問題を、日本の国内におけるアイヌ文化、部落問題、そして日本と韓国の過去と現在の問題を考えてみたいと思います。

授業計画

以下の担当講師によって講義を行います。日程表および講義のテーマについては、第一回の授業で資料を配布します。
阿部 一司(アイヌ文化)
石元 清英(部落問題)
金 惠信(韓国美術)
栗本 英世(人類学)
鈴木 裕子(女性史)
チカップ 美恵子(アイヌ刺繍家)
成原 有貴(日本美術)
桃井 和馬(フォト・ジャーナリスト)
森沢 典子(エッセイスト)
吉原 秀喜(アイヌ文化)

成績評価の方法

学期ごとに提出するレポートによって評価を行います。2回のレポートを提出することが、単位取得の条件です。

参考文献

授業中にそのつど、指示します。