※美学美術史特殊研究
  イタリアとアルプス以北の美術交流

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
高橋 裕子 教授 4 2〜4 通年 4

授業の目的・内容

15世紀の西欧美術にはイタリアとネーデルラント(ベルギーとオランダ)という2つの中心があり、影響関係の点では、油彩技法や風景描写など、北から南への方向が目立ちます。しかし、16世紀になると、アルプス以北はイタリア美術を手本として学ぶようになり、その傾向は17世紀にも続きます。18世紀には、英国貴族の「グランド・ツアー」に代表されるように、美術家以外の人々(ただし上流階級)の間でも美術鑑賞のためのイタリア旅行が始まりました。19世紀には、社会の変化に伴い、グランド・ツアーの大衆化が見られ、同時に、アルプス以北におけるイタリア美術の収集や研究も盛んになります。今年度はこうした南北の交流と受容について考察します。「アルプス以北」としては、主にネーデルラントとイギリスを取り上げ、前半では15−17世紀の絵画と彫刻の具体例を検討、後半は美術や文化をめぐる18−19世紀の言説を主に扱う予定です。

授業計画

はじめに
15世紀:イタリアとネーデルラント、それぞれの特色と影響関係
16世紀:ネーデルラントの「ロマニスト」たち
1017世紀:ルーベンスとレンブラントの場合
11
12
1318世紀:「グランド・ツアー」
14
15
1618世紀イギリスにおけるイタリア美術の収集と評価
17
1819世紀イギリスにおけるイタリア美術の「再発見」
19
2019世紀イギリスにおけるイタリア美術の収集と研究
21
22
23
24
25終わりに

授業方法

スライドを用いた講義形式。教科書はありませんが、毎回プリントを配布します。

成績評価の方法

学年末のレポートにより評価します。

参考文献

開講時、および授業の進行に応じて指示します。なお、15−17世紀のイタリアとネーデルラントの美術自体については、日本語文献も比較的豊富ですが、両地域の交流、「グランド・ツアー」、18−19世紀のイギリスでのイタリア美術への関心については、日本語の参考文献はほとんどありません。したがって、主な参考文献は英語となります。