※哲学演習
  --ジョン・ロック研究--

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
下川  潔 教授 4 2〜4 通年 2

授業の目的・内容

ジョン・ロックを「人間の自由」を考察した哲学者として扱い、彼の全著作を射程に入れたうえで、彼の自由観を深く掘り下げる。二、三年かけて、主として次の四つの視角からこの課題と取り組みたい。(1)ロックは、『統治二論』を書いた政治哲学者として、政治社会や自然状態における各人の「人身と財産に関する自由」をどのようなものとして理解したか、(2)ロックは、『寛容書簡』を書いた理論家として、政治社会における「良心の自由」(ないし信教の自由)をどのようなものとして理解したか、(3)ロックは、『人間知性論』で「力」に関して独自の見解を展開した哲学者として、人間の「行為の自由」および「意志の自由」をどのようなものとして理解したか。(4)以上の考察によって、特定の種類の自由の内容が明らかになるが、これらを相互に整合的につなぎ、一つの自由概念としてまとめ上げることができるか。
この演習のテーマは、今年度初めて設定したものである。今年度は、どれだけ早く進んだとしても、せいぜい、以上の四つのうち(1)と(2)の問題視角を取り上げることができる程度だろう。

授業計画

序論−ジョン・ロック研究の視座、テクストと文献の紹介
Two Treatises of Governmentを読む
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121学期のまとめ
13A Letter concerning Tolerationを読む
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211年のまとめ(2つの自由)
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学部生で私の卒論指導を受けたい人は、この演習に参加するようにして下さい。

授業方法

参加者全員によるロック主要著作(原典)の輪読と討論。指定箇所を中心にして、テクストの厳密な解釈を目指す。発表者は、レジュメを作成し内容に関する説明を行なう。

成績評価の方法

平常点

教科書

John Locke, (ed.) Peter Laslett, Two Treatises of Government., (Cambridge texts in the History of Political Thought),paperback edition, Cambridge University Press
John Locke, (ed.) James H. Tully, A Letter Concerning Toleration, paperback edition, Hackett Publishing Company, ISBN 0-915145-60-X.

参考文献

適宜、授業中に紹介する。