べーシック民法特殊講義

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
岡   孝 教授 4 2〜4 通年 1

授業の目的・内容

本講義は、国家試験などを考え、かつ一歩進んだ勉強をしたい2年生だけの受講を前提としている。少人数の受講生に徹底的に質問しながら講義を進めていく。条文の意味、制度の趣旨など基本的な事柄について質問をし始め、徐々にその程度を上げていく。毎回次回に取り上げるテーマを予告するので、予習を十分にお願いしたい。疑問箇所は徹底的に参考書で調べること。教師と納得のいくまで議論するという習慣も身につけてもらいたい。今年度は、取り扱う時期は未定だが、近時判例がまとまって出ている預金者の認定、売買・請負の瑕疵担保責任について数回にわたり、集中的に検討をする予定である。

授業計画

開講の辞/年間予定の説明/取り上げるテーマの協議
成年後見制度の検討1(法定後見)
成年後見制度の検討2(法定後見)
成年後見制度の検討3(任意後見)
成年後見制度の検討4(代理・委任の活用の限界)
成年後見制度の検討5(任意後見契約法)
表見代理
無権代理人の責任
相続による本人と無権代理人との地位の混同
10時効援用権者の拡張
11形成権の消滅時効
1290条に関する判例の検討1
1390条に関する判例の検討2
14背信的悪意者からの転得者の保護の問題
15預金者の認定問題1
16預金者の認定問題2
17預金者の認定問題3
18法定解除に関する諸問題の検討
19売主の瑕疵担保責任の再構成
20請負人の瑕疵担保に関する諸問題の検討1
21請負人の瑕疵担保に関する諸問題の検討2
22請負人の瑕疵担保に関する諸問題の検討3
23サブリース
24消費者信用に関する判例の検討
25最新重要判例の検討1
26最新重要判例の検討2
27最新重要判例の検討3
28最新重要判例の検討4/まとめ

授業方法

質疑応答形式の授業である。予習をしてこない学生、答える意欲のない学生、欠席がちの学生は、受講しないこと。毎回、1人あたり8〜9回の質問を予定している。

成績評価の方法

平常点および学年末のレポートにより評価する。

参考文献

川井健民法概論1民法総則第2版、有斐閣2000
須永醇新訂民法総則要論勁草書房2003
四宮和夫/能見善久民法総則』(法律学講座双書第6版、弘文堂2002
鈴木禄弥民法総則講義2訂版、創文社2003
川井健民法概論2物権有斐閣1997
民法総則と物権に関して代表的参考書を掲げた。『注釈民法』(新旧両版、有斐閣)は常に参照してもらいたい。その他の文献は、講義のさいに紹介する。

その他

本講義は、昨年度民法総則を学んだ2年生のために、しかもさらに進んだ勉強をしたい学生のためのものである。2年生以外の受講は認めない。また、本講義で基本的事項が学べるなどと誤解しないようにお願いしたい。あまりにも基礎学力のない学生は、まじめに勉強しようとする他の学生の迷惑になるので、受講をお断りする。最初の数回の講義で学力を判定する。