ベーシック法学科特設演習
  法学の基礎

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
高木  光 教授 2 1〜2 第2学期 1

授業の目的・内容

1・2年次生を対象に、「実定法の全体構造を理解する」ためのコツを伝授することを目的とします。
学部の通常の授業は科目ごとに細かく分かれていることもあって、初学者は何をどう勉強したらよいか迷うことが多いと思われます。また、国家試験を目指す人が早い段階から予備校に通うと、圧倒的な量の細切れの知識の詰め込みで精神的に参ってしまうことも多いようです。
そこで、この演習では「急がば回れ」の精神で、参考文献に掲げたような法学の基礎的な文献(の一部)をじっくりと読みながら、現代的な問題を受講者と共に考えてみたいと思います。
私の専門は「ごみ集めから高速増殖炉まで」森羅万象を扱う行政法ですので、「哲学的で深遠な」授業で皆さんを退屈させることはないと信じています。

授業計画

導入
団藤・法学の基礎56−62頁を読む。
「外国法の継受」「みつくりはつみつくり」「六法に入れてもらえぬ(?)行政法」
団藤・法学の基礎88−94頁を読む。
「公法と私法」「国家と市民社会」「弱肉強食か焼肉定食か」
団藤:法学の基礎295−305頁を読む。
「法実証主義」「条文侮るべからず」「パチンコ球の直径は11ミリ」
田中・法理学講義176−188頁を読む。
「配分的正義と交換的正義」「応能原則と応益原則」「正義や公平という美しい言葉を信じるな」
田中・法理学講義74−80頁を読む。
「法の社会的機能」「正義の女神はなぜ女性なのか」「牙のない法律(?)」
田中・法理学講義305−315頁を読む。
「法の解釈」「立法者意思と法律の意思」「鷺を烏といいくるめるのが法律家(?)」
中野・判例とその読み方3−28頁を読む。
「判例は実務を支配する」
中野・判例とその読み方99−108頁を読む。
「調査官制度」
10中野・判例とその読み方116−127頁を読む。
「判例の読み方」
11薬事法違憲判決を読む(1)
事実関係を把握する
12薬事法違憲判決を読む(2)
最高裁判決のロジックを理解する
13薬事法違憲判決を読む(3)
憲法学者の解説を分析する
14まとめ

第2学期2単位の授業です。

授業方法

受講者が指定された資料を読んできたことを前提に、質疑形式で受講者の理解の度合いを確認し、必要に応じて、教員から説明を補います。

成績評価の方法

平常点によります。

参考文献

団藤重光法学の基礎再増補版、有斐閣1998
田中成明法理学講義有斐閣1994
中野次雄編判例とその読み方改訂版、有斐閣2002

その他

受講希望者が定員を超える場合には4月に選考を行いますので、掲示に注意して下さい。