1 | オリエンテーション:2000年から2002年まで国際協力機構(JICA)で取りまとめた「人口と開発」に関する報告書を中心に本講座を開講するに当たっての問題提起を行う。 |
2 | 現地報告:講師が本年2月「人間の安全保障」の観点から視察した西アフリカのガーナの教育、保健医療に関するODA支援やNGO活動の状況報告を行い、直面する課題や各種プロジェクトの成果などを明らかにする。 |
3 | 「人間の安全保障」とは何か:ガーナ報告に関連して、ノーベル賞受賞者・アマルティア・セン教授と緒方貞子・前国連難民高等弁務官(現JICA理事長)を中心に主唱されている新しい開発理論「人間の安全保障」の内容を概説する。 |
4 | 国際援助の新潮流:「人間の安全保障」を含め、グローバリゼーションの進行に伴って起こってきた負の遺産・貧困と、ミレニアム目標など、これに対処するために新たな動きを見せている援助潮流に着目する。 |
5 | 「新ODA大綱国」:国際的な援助動向の中で、日本は何を目指そうとしているのか、昨年改定された「ODA大綱」の内容を吟味し、その戦略的意図を探る。 |
6 | 「いまなぜ人口問題か」:以上のゼネラル・スタディの上に、途上国支援の素材として世界の人口問題に入り、その緒論として「いまなぜ人口問題か」を考えてみる。 |
7 | 世界人口会議の論争点:10年に一度開催されてきた「世界人口会議」の流れを追い、その論争点を通じて人間開発の無視できぬ要素としての人口問題に注意を喚起する。 マルサスとマルクス(悲観論と楽観論) |
8 | 世界人口会議 :「開発」か「家族計画か」(先進国対途上国) |
9 | 世界人口会議 :人口政策のパラダイム・シフト(フェミニスト・アプローチの有効性) |
10 | 世界人口会議 :米国の人口政策とバックラッシュ(ブッシュ政権と単独行動主義) |
11 | 人類生存への三条件:第1学期講義の総括として人口をめぐる文明論を試みる。 |
12 | 学期末試験 |
13 | 第2学期は主として日本の援助政策に関して、国際援助場裏における「日本の経験」の有効性と限界を取り上げる。戦後日本の経済成長を助けた「人口ボーナス」の活用は可能か、日本型援助の可能性を探る。 |