●国際経済論

国際経済学の中でも国と国との実物的取引に焦点を当てる国際貿易理論を講義する。基礎理論の理解とその応用を通じて、現実の国際経済に関わる緒問題を分析する能力を育成することを目的とする。前半は貿易が発生するメカニズムや貿易の利益、海外直接投資について講義する。後半は関税や数量制限、アンチダンピング等の貿易政策の効果や貿易政策に関わる諸制度を取り扱う。国家間の金融取引を取り扱う「国際金融論」は本講義と補完的な関係にあり、履修を強く薦める。

１	ガイダンス
２	国際貿易理論の基礎（１）
３	国際貿易理論の基礎（２）
４	交易条件とその変化
５	生産技術と国際貿易：リカード・モデル（１）
６	生産技術と国際貿易：リカード・モデル（２）
７	生産要素賦存と国際貿易：ヘクシャー＝オリーン・モデル（１）
８	生産要素賦存と国際貿易：ヘクシャー＝オリーン・モデル（２）
９	生産要素賦存と国際貿易：ヘクシャー＝オリーン・モデル（３）
10	規模の経済と産業内貿易（１）
11	規模の経済と産業内貿易（２）
12	資本移動と海外直接投資
13	完全競争下の輸入政策（１）
14	完全競争下の輸入政策（２）
15	完全競争下の輸出政策
16	大国の貿易政策
17	不完全競争下の貿易政策（１）：独占と貿易政策
18	不完全競争下の貿易政策（２）：幼稚産業保護政策
19	戦略的貿易政策
20	GATT・WTO体制
21	アンチダンピング
22	セーフガード
23	特恵貿易協定（１）
24	特恵貿易協定（２）
25	まとめ

毎回自作のレジュメを配布し、プレゼンテーションソフトを用いたスライドのプロジェクター投影により講義を進める。

第１学期（学期末試験）、第２学期（学年末試験）
各学期末の試験（第１学期50％・第２学期50％）により評価する。講義中の発言等によりボーナス点を与える場合がある。

浦田秀次郎『国際経済学入門』（日経文庫経済学入門シリーズ）日本経済新聞社、1997年
竹森俊平『国際経済学』（プログレッシブ経済学シリーズ）東洋経済新報社、1995年
若杉隆平『国際経済学』第２版、岩波書店、2001年
伊藤元重『ゼミナール国際経済入門』第2版、日本経済新聞社、1996年
講義を包括的にカバーする参考書は無いが、予習・復習のために少なくとも一つは手に入れておくことを勧める。

ミクロ経済学やゲーム理論の基礎知識を前提とするため、学部の講義や自習を通じて事前に習得しておくことが望ましい。