西洋経営史
  企業経営と欧米社会の変化

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
道重 一郎 講師 4 3〜4 通年 2

授業の目的・内容

この講義では資本主義的な経済システムが支配的となる産業革命の前後から、巨大な独占資本が形成される20世紀前半にいたる時期に関して、主として欧米の企業経営がどのような展開を示すかを検討していきたい。また、企業経営のあり方は、経営者の個性に依存するとともに、そのおかれた歴史的経済的な条件に規定されて変化するものである。したがって、歴史的条件の中で、企業経営者がどのような選択を行っていったかをこの授業のなかで検討する。

授業計画

経営史を学ぶにあたって
産業革命の前提
取引制度の近代化
産業革命はあったのか
イギリスの工業化と企業(1) 工場制の形成と綿紡績業
イギリスの工業化と企業(2) その他の産業とイギリスの特質
後進資本主義国の工業化(1) フランスとドイツ
後進資本主義国の工業化(2) アメリカの3大セクション
世界の工場イギリス
10消費社会の展開と大型小売店舗(1) デパート
11消費社会の展開と大型小売店舗(2) チェーンストアと通信販売
12大不況と構造転換―新産業の登場
13アメリカとドイツの独占的大企業
14大量生産システムの形成―フォードシステムとテイラーシステム
15アメリカにおける都市化の進展と大量販売
16第1次世界大戦とその後の欧米の変貌
17相対的安定期のイギリス経済と企業―停滞と変化
18相対的安定期のドイツ経済と企業―復興とその限界
19アメリカにおける大衆消費社会の経済と企業活動
20経営者の時代―事業部制の形成
21大衆消費社会の販売戦略
22大恐慌とスーパーマーケットの登場

企業経営は、生産と流通そして組織に適切な投資を行うことによって、初めて主導的な存在となれると言われている。したがって、この講義でもこれら分野のそれぞれにおいて、企業がどのような活動を行ったのかを検討していくが、とりわけ流通、販売戦略に重点をおいて検討していくことにしたい。

授業方法

講義形式による。

成績評価の方法

原則として、学年末の筆記試験で成績を評価する。また状況に応じてレポート課題を出すことがある。

教科書

湯沢 威 他エレメンタル 経営史英創社2000

参考文献

参考書は、逐次紹介する。