言語学概論
  言語の構造と機能

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
長嶋 善郎 教授 4 2~4 通年 1

授業の目的・内容

私達が日常無意識に用いている「ことば」というものを言語学の立場からはどのように捉えられるか。19世紀末に「科学」として誕生した言語学がどのように発展してきたか、また、言語現象を解明する方法論とその基本的概念は何かなどについて学び、言語について考える際の一つの手がかりとしたい。

授業計画

導入:主として19世紀以降の言語学の流れの概観
言語学の研究対象:ソシュールの立場
ランガージュ、ラング、パロール
記号と言語記号の性質:ことば、絵、身ぶりなど;言語記号の恣意性とオノマトペ
価値と体系:日本語(共通語)の母音がアイウエオの5つと言える根拠は何か。
言語の共時態と通時態
言語の仕組みを支える原理:線状性と二重分節
統合の軸と連合の軸
言語の機能
10音声と音韻の区別
11音声学概説
12言語を構成する単位(1):音素
13音素の弁別特徴;有標、無標、中和
14アクセント
15言語を構成する単位(2):形態素
16語の構成:合成と派生
17形態と文法カテゴリー
18形態から見た言語の分類
19現代の類型論
20語の意味1 語の意味をどのように捉えるか:概念、使用条件;認知意味論の立場
21語の意味2 語の意味関係(反義関係、上下関係、類義関係など)
22チョムスキーの言語観
23幼児の言語獲得と普遍文法
24文の構成
25言語の変化:比較方法;グリムの法則;東京方言と琉球方言
26言語・思考・世界観:ウォーフの言語相対論〔ホピ語(アメリカインディアン語)とヨーロッパ諸語〕

教科書は使用せず、プリントを配付する。

授業方法

講義

成績評価の方法

出席状況と学年末試験

参考文献

鈴木孝夫教養としての言語学』(岩波新書1996
風間喜代三・他言語学東京大学出版会1993
その他、授業で随時指示する。