日本文学史概説III
  昭和の文学(敗戦まで)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
十川 信介 教授 4 1~4 通年 2

授業の目的・内容

昭和初年から第2次世界大戦終結までの文学について概説する。関東大震災(1923)後、東京がようやく復興して、アメリカ文化の影響によってモダニズム文化が流行した時代であり、一方では軍国主義によって思想弾圧が激化した時代でもある。その状況の下で〈文学〉はどのように展開したかを考えて行く。

授業計画

前説 芥川龍之介の死。
以下、主な内容は次のとおり。
 三派鼎立説(平野謙)
 文学の大衆化(円本ブーム、大衆小説、プロレタリア文学)
 モダニズムの文学(新感覚派、新興芸術派など)
 左翼文学運動弾圧と「転向」
 小林秀雄の評論と『文学界』
 「日本浪漫派」について
 「新心理主義」について
 荷風・秋声・藤村の復活
 谷崎潤一郎の「語り」
 坂口安吾と太宰治
 堀辰雄の「ロマン」
 中島敦と古典文学
 女性作家たち(林芙美子、野上弥生子、岡本かの子、宇野千代など)
 現代詩と現代俳句
 演劇活動について
各項目は関連しているので、順番はかならずしも上記のとおりではない。

授業方法

できるだけ作品の内容に即して話を進めるが、手に入りやすい有名な作品は、自分で読んでほしい。固有名詞は「年表」に書いてあるので、かならず持参すること。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験)、第2学期(学年末試験)
試験(第1、2学期各1回。各50点の合計)

教科書

石崎等ほか近代文学年表双文社出版
「年表」は最新版を取り寄せるので、学内の書店で購入すること。

参考文献

磯田光一ほか昭和文学全集・別巻第1版、小学館1990