基礎演習IIA
  中世:神と女性の物語

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
兵藤 裕己 教授 2 2 通年 4

授業の目的・内容

中世物語の「熊野の本地」と「道成寺物語」を、影印本で読みすすめながら、変体仮名の読解の練習を行い、あわせて、中世の物語が成立する文化的・宗教的な基盤について考察する。

授業計画

○4月〜9月には、「熊野の本地」を扱う。
テキストには、天理図書館蔵「熊野の本地の物語」の影印本をもちい、変体仮名の読解の練習を行う。あわせて、この物語の成立背景にある諸問題を考察する。
中世の文学・文化・歴史を考える場合、熊野信仰の問題を抜きして語ることはできない。
そのような中世熊野の神話テキストとして、「熊野の本地」について考察する。
○10月〜1月は、「道成寺物語」を扱う。
テキストには、天理図書館蔵「日高川」を用い、変体仮名の読解の練習を行ない、あわせて、この物語の成立背景にある諸問題を考察する。 
「道成寺物語」は、女性の破滅的な恋を描いた物語として、後世の文学・芸能に多大な影響を与えた作品である。授業では、「道成寺物語」の異本である「日高川」をとりあげ、この物語が成立する宗教的基盤や、中世の女性観などについて考察する。

授業方法

段落ごとに担当者をきめて、変体仮名の読解の演習を行う。あわせて、上記の諸問題について、講義形式と演習形式によって考察する。

成績評価の方法

各学期末の試験のほかに、発表と出席点によって総合的に評価する。

教科書

笠間影印叢刊刊行会字典かな笠間書院

その他

他学科の学生は履修不可