1 | 授業方法の提示と『おもろさうし』概説を行う。オモロ世界で最も著名な聞得大君(きこへおほきみ)という国王に対応する最高神女について概説する。 |
2 | オモロが祭祀の場で謡われていたのと同時代に編纂された『琉球国由来記』の歌謡は祭祀の場で謡われたものをそのまま記載した、と考えられる。その歌謡を概観することによって、オモロがいかに新しいか、逆に認識できる。由来記の歌謡を中心にみていく。 |
3 | 「神女祭祀概説」神女とは神の世界と地上を結ぶ存在である。神女の頂点に立つ聞得大君は卑弥呼と男弟の関係、つまり日本古代の神聖王権同様な存在とされてきたが、そうではないことを述べる。 |
4 | 「ニルヤ・カナヤ信仰概説」ニルヤ・カナヤ(ニライ・カナイ)は海の彼方の他界への信仰と言われてきたが、古くは地の底への信仰だったことを述べる。 |
5 | 「オボツ・カグラ信仰概説」オボツ・カグラは天上他界である。天上他界観は琉球列島に流入した北方的文化要素のひとつである。天上と地上を往還する神女のあり方は北方的シャーマニズムの原型にそっている。そのこともあわせ、述べる。 |
6 | 「三機能体系概説」日本神話・ギリシア神話には「主権・武力・豊饒」という三つの機能が主権(第一)機能を頂点に補い合って完全な世界となる、という三機能体系が存在している。この三機能体系はオモロ世界にも存在している。そのことを神話学的に概説する。 |
7 | 以下の回は受講生の発表と、担当者のコメントを中心に展開する予定。 |