日本文学演習
  中野重治研究−作品とその時代−

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
竹内栄美子 講師 4 2〜4 通年 4

授業の目的・内容

1920年代後半から1970年代にいたるまで、およそ半世紀にわたって、文学運動・政治活動を続けた中野重治の作品を読む。歴史的文化的背景を理解しながら、作品をていねいに読み込んでいく。以下の三つの柱を設定して考察する予定。1雑誌「裸像」「驢馬」をめぐって―詩から小説へ― 2「日本近代」を再考する視点―転向後から戦時下の作品― 3戦後文化運動のなかで―敗戦後の小説― 演習の授業なので、受講生の発表および討議を中心にして進める。授業では、受講生諸君の積極的な発言を期待します。

授業計画

授業の目的、内容、評価基準について説明する。中野重治についての簡単な概説をおこない、扱う作品を示しながら、調査方法や参考図書などについて紹介する。以下、5回にわたって課題を指示しながら作品講読。
「裸像」「驢馬」掲載の詩を読む。発表担当および順番の決定。
「裸像」「驢馬」掲載の詩を読む。(課題1)
初期のエッセイのひとつ「詩に関する断片」を読む(課題2)
初期の短編小説のひとつ「交番前」を読む。(課題3)
初期のエッセイのひとつ「素樸ということ」を読む。(課題4)
以下、受講生の発表と討議。作品によっては、二回、三回にわたり分担発表によって扱う場合もある。扱う予定の作品は「春さきの風」「村の家」「歌のわかれ」「五勺の酒」「萩のもんかきや」その他。
受講生の発表と討議。
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15第1学期のまとめ。第2学期の計画。
16受講生の発表と討議。
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28本授業のまとめ。

授業の進み具合によって、予定した作品をすべて扱えない場合もあり得る。しかし、なるべく予定通りに進めたいと思います。ご協力ください。

授業方法

5〜6週目までは地ならしとして課題を指示しながら作品を講読する。その後、受講生の発表と討議が中心になる。発表者は、発表する一週間前にレジュメを用意して参加者に配布する。参加者は、扱われる作品を必ず読み、レジュメに目を通して質問事項を考えてくること。

成績評価の方法

発表の内容、他の発表に対する質問、夏休みのレポート、この3点を重視する。出席点も加味する。

教科書

中野重治村の家/おじさんの話/歌のわかれ』(講談社文芸文庫講談社1994
中野重治五勺の酒/萩のもんかきや』(講談社文芸文庫講談社1992
文庫本を二冊指定したが、別のテキストが用意できるという場合はそれでもかまわない。授業で扱う作品は必ず前もって読み、当日は教室にテキストを持参すること。