基礎演習IIA
  フランス語の展開

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
佐伯 隆幸 教授 2 2 通年 2

授業の目的・内容

この授業は、一言でいってしまうと、一年次で(既習者の場合は高校等で)フランス語の入門篇をひとまず終え、専門課程に入る前に当たる専門科目なので、「フランス文学科での」言語理解の中級程度に相当すること(場合によっては上級レヴェルも一部入るが)をみっちり勉強する。まずは、すぐ先に予定されている専門科目でなにをどう学ぶにせよ、必ず必要となるフランス語の、すでに学んだ(はずの)文法事項を丹念に復習しながら、そのより複雑な応用篇を練習を通して会得し、合わせて、さらにそれを活かして次なるプロセスにいたるための文の基本読解を反復練習する。そして、そのような過程が踏破できたと思われる段階、第2学期の最終期に、上級かその直前水準の比較的やさしい、だが、フランス文学の専門課程に入る準備過程、文法をいま一度再整理し、より広い語彙獲得や、語学的、文学的感覚涵養のためのテクストを読む。

授業計画

大体三期に分かれる。第1学期はいわゆる中級文法の教科書にして三分の二前後まで進み、第2学期に関しては、十一月の終わり(これは諸君の把握にもよる)くらいまでにひと通りその中級文法の過程を終えるつもりにしている。この時間帶はわたしが文法説明をし、授業を引っぱり、諸君には復習や宿題を励行してもらうことになろう。そして、最後に上記のやさしい文学的なテクストを読む予定である。どの段階も丁寧に手順を踏む心づもりではあるが、しかし、同時に、いずれの段階もスピードもあるし、密度高いものになることだけは間違いない(すべては階段を一段ずつ上がるような一連の過程であって、むやみな跳躍を突如強いたりするような特別なことは考えていないが、それでも、経験からいうと、速度が早いと感ずる諸君もいるとは思う。そういう諸君は疑問が生じたらただちに、質問にくること)。というのも、手順は踏むとしても、初級で学んだことに焼きを入れ、専門課程で本格的にテクストを読む力を習得してもらうのが授業の目論見なのであるから、諸君のフランス語はこの期間にそれなりにかなりの成長をしてもらわねばならないわけで、そうそうのんびり構えるというわけにもいかないのである。その点は心得ていて欲しい。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験)、第2学期(学年末試験)
授業計画を三期に分けたが、この三期にいずれも試験がまずある。最初の二つは文法のより高度な把握、文の内容理解その他に関係することが主だが、多角的で、たぶん結構な水準のものになる。諸君は一年次で(また、既習者は高校等で)初級文法を学んで、すでにフランス語の文章構造はわかっており、たぶんとてもよくできるようになっているはずだし、勉強には慣れてきていると思うが、上記で書いたごとく、それでも、なかには、中身が濃すぎ、分量的にも多いと感じる学生もいるかもしれない。たしかに、比較的ハードに違いない。けれども、これは専門課程を迎えるのに必要な質と量なのである。加えて、宿題がある。宿題は年間大体二五回前後は出ると思われたい。これは、文法習得や文章の基本読解を身につける段階では復習は不可欠なので、それをこなしてもらうためと、文法事項の機械的暗記のみではさまざまな文や表現の読解には依然不充分だから、それを楽に活用できるようにできるだけ沢山のフランス語の表現にふれ、それと直面し、実地に反復練習してもらうためである(これが楽にこなせるようになれば、専門課程のフランス語はそんなに難しいものではないはずである)。宿題にもそのつど評価はつける。すでにいった通り、すべては一歩一歩の段階が組み合わさって綜合を型どる連鎖の過程である。それゆえ、成績は、この宿題に代表される日常点を基礎評価として、二回の「文法」や読解が中心の試験が複合されて、自然といっていいほど自然に出る。これはいつもいうことだけれども、成績はわたしがつけるというより、そこまでの先々のベースとなる中級文法が習得できたかどうかが事実上証明される晩秋までの過程でほぼ自動的に決まるのだといっていい。つまり、基礎演習は週二回、年間授業数は五○回をゆうに越えるものになるわけだが、その、決して短いとはいえぬ、息の長い、けれど、丁寧に段階を追って進む以上、日々の一歩一歩を大事にすればいい時間帶に弛まず努力した者だけが合格できる、わたしの基礎演習の基軸はそういう仕組みになっているのである(従って、苦労はたしかにあるだろうが、授業を休んだり、教場で集中を欠いていると、あっという間にとり残され、もう一度基礎演習を履修しなければならぬ残念な結末になりかねない。必ず全出席、徹底的な復習と宿題を鋭意こなすことを心掛けること。勉強すれば、それに見合う結果が必ず出るし、それが将来につながるのである。やるべし、である)。なお、文法等の理解ののちにある最後の試験は、それまでの二回の試験では評価確定しにくい者の力をみるため、フランス語の中級が体得できた学生にはさらに次なる課程へのステップとなるものである。

教科書

現在はまだ未定。