哲学演習
  フッサール現象学の根本問題

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
山口 一郎 講師 4 D/M 通年 3

授業の目的・内容

現象学の根本問題である「時間と他者」をフッサールが如何に解明しているか、フッサールのテキストと2次文献の講読を通して解明していく。演習形態をとり、レポートを中心にした授業となる。

授業計画

全体のプランの説明。第1学期は、現象学の基本概念への導入として講師著『現象学ことはじめ』の第一章から第九章までレポートし、その章の内容に関連するフッサールのテキストを講読する。第2学期は、講師著『他者経験の現象学』のレポートを中心に行い、該当するフッサールのテキストを講読する。
『現象学ことはじめ』第一章、数えること、『論理学研究』に至るまでの、フッサールの数学基礎論をめぐる研究、ブレンターノとフッサールの「志向性概念」
第二章、感覚と知覚、感覚与件の意味の的確な理解
第三章、時間(I)、過去把持と原印象について
時間(II) カントの時間論とフッサールの時間論
時間(III)時間図式の修正
第四章、本質直観、前期と後期の本質直観
第五章、受動的綜合(I)カントの超越論的統覚と受動的綜合の分析
受動的綜合(II)連合と触発
10第六章、衝動志向性と発生的現象学の方法
11第七章、身体論、心身関係論
12第八章、相互主観性論、(I)他者論以前。現象学的他者論とはいかなる問題か。現象学的還元の必要性
13相互主観性論(II)対化による相互主観性の基礎付け
14第九章 生活世界論
15第2学期は、『他者経験の現象学』のレポートを中心にする。
初回は、第一部、第一章、受動的綜合の問題の成立とその方法論、1.能動的綜合に対置する受動的綜合
162.発生的現象学と受動的綜合と3、論理の発生論と受動的綜合
174.受動的綜合の分析とその方法論、5.感覚の概念と受動的綜合
18第二章、能動的綜合と受動的綜合の分析、1.対象及び対象性の概念から3.受動的綜合の諸層まで。
194.共在性と継続性から6.前触発的綜合と触発的綜合。
207.過去把持、把捉、触発的力から、9、内在的及客観的時間性と連合的綜合
2110、本質直観と受動的綜合から第三章の2、心と身体の二重性
223.キネステーゼの能動性と受動性から、第二部相互主観性の基本構造、第一章、対化による相互主観性の基礎づけの2、方法論的諸問題まで
233.一次的領域から4.受動的綜合としての自己移入
245.自己移入の基本原理としての対化
25第二章受動的相互主観性と能動的相互主観性、1.受動的相互主観性の問題領域から3.受動的自己移入と衝動志向性
264.幼児期の受動的相互主観性の形成から6の能動的相互主観性における能動的自己移入
277、我ー汝ー連関、共同的生から、10、内在的目的論と総体性の問題
28総括の討論

そのつど、問題内容に関する、最近の2次文献を随時紹介し、講読材料とする。フッサールのテキストもそのつど、指定され、講読する。

授業方法

ゼミ形式で、レポートと討議が中心となる。

成績評価の方法

レポート評価

教科書

山口一郎現象学ことはじめ第1版、日本評論社2002
山口一郎他者経験の現象学』(ポリロゴス第1版、国文社1985

参考文献

参考文献は、そとつど、指定する。