※西洋史特殊研究
ドイツ近現代史の諸問題

担 当 者 単 位 配当年次 開講期間 曜 日 時 限
芝 健介 講師 4 2〜4 通年 5

授業の目的・内容

さまざまな角度から近現代ドイツ史について国家と社会の問題を中心に政治社会史的に検討します。前半は、最近のドイツ歴史学の注目すべき成果にも学びながら、現代史の基本的諸問題と視座について掘り下げます。後半は、第二次世界大戦後のドイツで、世界戦争やホロコーストという、重大な世界歴史認識にかかわる経験がどのように跡づけられ対象化されていったのかという問題を軸に、近現代歴史学の方法についても吟味するつもりです。

授業計画

授業概要と史料文献ガイド
最近の注目すべきドイツ現代史研究の成果から(1)
最近の注目すべきドイツ現代史研究の成果から(2)
ヴェルサイユ条約とドイツの戦争責任問題
ライプツィヒ国事法廷における戦犯裁判
第一次世界大戦以後の社会的大変動と現代史研究の隆盛
1920年代のドイツ再軍備問題の社会的位相
最近のヒトラー論から(1)
最近のヒトラー論から(2)
10 最近のヒトラー論から(3)
11 ナチズムと歴史家たち
12 ニュルンベルク裁判とホロコースト
13 映画『ショアー』をめぐって
14 「生にとっての歴史の利弊」再読
15 ヴィルヘルム時代の文化批判
16 ナチ・ドイツの官僚制をめぐって(1)
17 ナチ・ドイツの官僚制をめぐって(2)
18 1943年クロニクル(1)
19 1943年クロニクル(2)
20 20世紀ドイツの歴史文化とジェノサイド
21 近代ドイツ社会の反ユダヤ主義の深度を探る(1)
22 近代ドイツ社会の反ユダヤ主義の深度を探る(2)
23 第三帝国期の史料をともに読む(1)
24 第三帝国期の史料をともに読む(2)
以上の授業予定は、各回における講師の講義or問題提起にかかわる「テーマ群」。

授業方法

各回、当番にあたった報告者の報告を授業前半で聴き、それをめぐり質疑応答、討論。講師のほうでも後半は重要なポイントについてコメントor問題提起をする予定。

成績評価の方法

平常点(出席、報告義務を果たすこと)とレポートによる総合評価

教科書

Gtz Aly, Hitlers Volksstaat: Raub, Rassenkrieg und nationaler Sozialismus, S. Fischer Verlag, 2005
テクストは独語版だが、英語で読みたい参加学生には英語版資料を初回お渡しします

参考文献

W.ラカー編ホロコースト大事典柏書房2003