一般経済史(法学部)

担 当 者 単 位 配当年次 開講期間 曜 日 時 限
飯田 隆 講師 4 1〜4 通年 4

授業の目的・内容

第1学期では、19世紀以降の世界経済をリードしてきたイギリス、ドイツ、アメリカ各国の経済の歴史的変遷を辿りながら、そうした経緯を素材に経済社会のあり方を解説する。まず、いちはやく工業化を果たし「世界の工場」としての立場を確立したイギリス経済と、遅れて工業化に乗り出したが、19世紀半ば過ぎの交通・通信革命を経て20世紀初頭までにイギリス経済を追い抜いたドイツとアメリカの経済発展過程を比較しながら講義を進める。
第1次大戦後のイギリス経済はますます比較優位を失い、他方でアメリカ経済の意義が高まってきた。しかしアメリカは当初、世界経済を主導していく意思をもたなかったため、世界経済は大きく混乱した。そこで、第2次大戦後はアメリカが主役となって新たな国際通貨制度、貿易制度が敷かれて世界経済の安定化が図られることとなった。その下で、イギリスやドイツの経済も安定的発展を遂げることとなった。第2学期では、そのような経緯を、比較的最近の経済の動きも展望しつつ、説明する。

授業計画

第1学期
1.市場経済システムの仕組み
2.西欧封建制度の成立と展開
3.貿易の発展と商業革命
4.イギリス産業革命をめぐる諸見解
5.基軸産業となった綿工業の発展
6.金融システムの確立
7.交通・通信革命と世界貿易の拡大
8.帝国主義的拡張の時代
9.第2次産業革命と独米の台頭
10.大企業経済の形成
11.第1次大戦前の大企業経営
第2学期
1.戦間期のイギリス経済
2.戦間期のドイツ経済
3.「黄金の20年代」のアメリカ
4.大恐慌のアメリカ
5.第2次大戦後の世界経済の枠組み
6.戦後イギリス経済
7.戦後西ドイツ経済
8.パックス・アメリカーナの基礎構造
9.ドル危機・石油危機による構造変化
10.1980年代における欧米経済の停滞
11.「日本化」に揺れる欧米経済

授業方法

飯田隆『図説 西洋経済史』(2005年7月刊行予定)をテキストとする。第1学期は出版が間に合わないので、講義用プリントを配布し、そのレジュメに沿って講義を進める。その他、参考文献に関しては、講義の最中に紹介する。第2学期では、テキストに掲載された資料などに基づき講義を進めるので、受講者は入手されたい。

成績評価の方法

定期試験を行い、その内容で評価する。原則として参照可とする。ただし、論述試験なので日本語の作文能力も評価の対象となる。