● 日本文学研究法
―近代文学研究の現在―

日本近代文学研究の現状を、方法論を中心に概説していくことが、この授業の目的である。研究の歴史がそれほど古いとはいえない近代文学研究であるが、その問題意識の移り変わりには激しいものがあった。特に、1980年代以降、隣接する人文諸科学の最新の学問的な成果を取り入れた研究が盛んになるにつれて、その傾向は加速していった。しかし、同時に古いタイプの研究の意義がなくなってしまったわけではなく、混沌とした状況に近代文学研究の現在があるといえるだろう。学生は、そうした状況の中で生産された論文を卒業論文作成のために読まざるを得ないのが現実だろう。したがって、論文を解読し、評価していくためには確かな眼力を養う必要があるのではなかろうか。その一助となることを願って、この授業を講義していきたいと思う。

１	イントロダクション
２	近代文学研究史
３	〃
４	〃
５	〃
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７	〃
８	〃
９	小森陽一「『こころ』を生成する『心臓』」を読む
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13	語り論
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17	都市論
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19	〃
20	フェミニズム批評
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23	文化研究
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テクストとして配布されるプリントを予習し、関連する文献を自主的に読んでいくことが、授業の理解を深めるポイントとなるだろう。

私が基本的にしゃべりまくるのだろうと予測される。ただし、受講者が授業を理解し、その理解を深めるためには、適宜指示した参考文献を読んだり、具体的な分析として取り上げる論文や作品を熟読するなどの努力が必要である。受講者数によっては、授業中に受講者に対して質問したり、課題を与えてレポートを書かせる場合もある。

第２学期（学年末試験）
次の３点を勘案して総合的に成績を評価する予定。１．出席状況などの平常点。　２．夏休みの宿題として提出するレポート。　３．学年末試験。

適宜プリントを配布する予定。

フランク・レントリッキア『現代批評理論』平凡社
石原千秋　他『読むための理論』世織書房
大橋洋一『新文学入門』岩波書店
土田知則　他『現代文学理論』（ワードマップ）新曜社
川口喬一　他『最新文学批評用語辞典』研究社出版
このほかの参考文献は適宜指示する。