3年ゼミナ−ルD
人のこころと顔が見えるドイツ語史

担 当 者 単 位 配当年次 開講期間 曜 日 時 限
高田 博行 教授 4 3 通年 3

授業の目的・内容

ドイツ語史を単に音韻、語形、構文等の変化の歴史とみるのではなくて、ドイツ語圏の社会状況・文化状況・コミュニケーション状況等と関連づけて考察する。そうすることによって、過去1200年の間にドイツ語を用いてきた人間たちの熱い思いやコンプレックス、また打算や戦略が明らかになるであろう。

授業計画

次のテーマ群のなかから、受講生たちの希望に応じていくつかを取り上げる:1)カール大帝によるドイツ語奨励(8世紀)、2)修道僧たちの書き残したドイツ語(10・11世紀)、3)宮廷人が愛を歌ったドイツ語(12・13世紀)、4)官房事務官・商人の綴ったドイツ語(14・15世紀)、5)ルターが苦心した聖書ドイツ語翻訳(16世紀)、6)三十年戦争時の文化的砦としてのドイツ語(17世紀)、7)哲学者・数学者ライプニッツのドイツ語コンプレックス(1700年前後)、8)身分語としてのドイツ学生語(17〜19世紀)、9)市民階級の言語的マナーとタブー(18・19世紀)、10)グリム兄弟の辞書づくり(19世紀)、11)ドゥーデンによる正書法辞典の誕生(19世紀)、12)ナチズムにおける言語操作、13)東ドイツのドイツ語、14)掲示板(BBS)のドイツ語。

授業方法

まず初めの数回の授業では、ドイツ語史の流れを教員が講義形式で概観する。そのあと受講生は、それぞれ希望するテーマを選び、それに関して調べ報告(発表)する。資料の調べ方、内容のまとめ方、ハンドアウトの作り方、発表(プレゼンテーション)の仕方等に関して、その都度くわしく指導する。

成績評価の方法

各受講生が自分で選択したテーマに関して行う発表(報告)と授業中の積極的な質問・発言が成績評価の基準となる。試験は行わない。

参考文献

授業中に適宜指示する。