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※身体表象文化学演習(ジェンダー形成)
担 当 者 |
単 位 |
配当年次 |
開講期間 |
曜 日 |
時 限 |
大貫 敦子 教授 |
4 |
D/M |
通年 |
木 |
3 |

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ジェンダー理論は、諸芸術の多様なジャンル(文学、視覚芸術、演劇やダンスなど)ばかりでなく、学問をも含む文化のさまざまな側面が、身体についてのイメージに強く影響されていることを明らかにした。一般的にはジェンダーは社会的に形成される「女性らしさ」「男性らしさ」という性的差異であり、その差異が生物学的な身体に書き込みをされるのだとされるが、実は「生物学的」に規定される「身体」という実在性を生み出しているのも文化的装置である。とすれば、「身体」自体も言語的に、あるいは文化的に特定のイメージをもって構築されたものであるということになる。女か男かの二者択一しか許さない価値観は近代的思考の誕生と密接に関係し、19世紀以降、正常/異常、健全/不健全、中心/周縁、という社会的価値観を醸成してきた。歴史的に形成されたこうしたジェンダー観は現在にまで存続し、社会的行為のみならず学術研究をも規定している。この授業では、ジェンダー理論の基礎への導入を行うとともに、文化研究に「身体」という観点を取り入れることによって開けてくる新しい地平を探る。

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まず始めにジェンダー理論が登場した理論的・歴史的背景、および基礎的な概念について講義の形をとって導入を行い、その後で文学、歴史学、美術・音楽などの分野ですでに行われているジェンダー研究をとりあげ、関連文献を読みながらジェンダー研究の意味を考察する。そのなかで参加者自身の研究テーマと結びつけた発表を行ってもらう。

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発表、および議論への参加、学年末レポートにより評価する。

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テクストはプリントで配布。

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授業中に適宜指示する。

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この授業はどの専攻の学生でも受講可能で、テクストも日本語のもの(翻訳を含む)を使用する。また「身体表象文化学演習」の他の授業も並行して受講することを勧める。なお「身体表象文化学」関係の授業は学習院版COEの企画として実施され、授業外にも講演会などが開催されるので、それにも積極的に参加することが望ましい。