近代日本と学習院

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
桑尾 光太郎 講師 4   通年 2

授業の目的・内容

学習院は幕末の京都に公家の学問所として設置され、明治維新を経て東京に華族の教育機関として改めて開設された。その後学習院は宮内省の所轄となるも、敗戦後の混乱のなかで私立学校として再出発をはかり、新制学習院大学を開学して現在にいたる。
158年にわたる学習院の特異なあゆみは、日本近代・現代の歴史と深く関わってきた。私たちが日常を送る身近な場所を通して、ひろく日本の近現代史の諸問題をみていくことが、この授業の目的である。
大学の組織や教育研究、課外活動などの枠組みは、どのように形成されてきたのか。学生や教職員たちは時代の流れのなかで何を考え、どのように行動したのか。それらを理解することにより、みずからが大学に学ぶことの意味を考えてもらえれば幸いである。

授業計画

はじめに―大学史とはなにか―
京都学習院と幕末の政治状況
東京の学習院と明治国家形成
学習院と華族女学校―その中心人物―
キャンパスの変遷と学習院「大学科」
白樺派と乃木院長
大正期の学習院・女子学習院と高等教育機関の発展―
華族階級の揺らぎ―大衆社会の到来と恐慌―
戦時下の学習院
10 空襲と敗戦―学生は何を体験したか―
11 占領統治の開始とGHQの学習院観
12 学習院存続交渉の展開
13 新学習院の出発と安倍能成院長
14 戦後教育改革と学習院大学の開学
15 冷戦下の社会と大学初期の苦難
16 経済復興と大学組織の形成
17 学部学科の発展とキャンパス整備
18 学生生活の変容―女子学生の増加―
19 大学大衆化の光と影
20 学生運動の諸相と大学紛争
21 「大学祭」問題―学習院大学での紛争―
22 1970~80年代の大学―教育研究・学生生活の多様化―
23 大学のカリキュラム―教養教育と専門教育―
24 大学改革の時代―大学はどこへ行くのか―

授業方法

講義形式、随時資料を配布し画像を紹介する。必要に応じて簡単なレポートを求める。

成績評価の方法

第1学期は試験、第2学期はレポートを課す。

参考文献

学習院大学五十年史(上・下)
学習院百年史(全三編)
学習院大学の五十年―写真と図録―
他は授業中に紹介する。