美術史講義

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期 郭 在祐 講師
第2学期 金 惠信 講師
4 2~4 通年 2

郭 在祐 講師 (第1学期)

授業の目的・内容

隣国同士である日本と韓国の間の歴史・文化などを美術史を通じて、見方・考え方・美意識などを改めて認識すること。そしい本講義を受講することにより、「韓国絵画の伝統の美術観」に対する理解と知見を深めてほしい。

授業計画

ガイダンス
韓国の美を考える-庭園-
韓国絵画の変遷と現況と方向
韓国の文人契会と契会図を考える。
韓半島の生活の中での屏風と屏風図を考える。
朝鮮王朝時代山水画の発達1-初期・中期-
朝鮮王朝時代山水画の発達2-後期・末期-
瀟湘八景図を考える
韓国風俗画の発達-三国時代と高麗王朝時代-
10 韓国風俗画の発達-朝鮮王朝時代-
11 朝鮮王朝時代の作家像-鄭-を考える。
12 朝鮮王朝時代絵画の日本との関係。
授業内容以外に韓国について知りたいことがあれば、それを取り入れることも考えている。ガイダンスの時に聞きます。

授業方法

特になし。

参考文献

安 輝濬著 藤本幸夫・吉田宏志訳「韓国絵画史」吉川弘文館1987
柳 宗悦朝鮮とその芸術春秋社1955
郭 在祐文清山水図考える-新出・精嘉堂文庫山水図をめぐって-国華 12041996
松下隆章李朝絵画と室町絵画1973
李 進煕新版「日本文化と朝鮮」三省堂1995
参考文献はガイダンスの時と授業中でも随時紹介する。

金 惠信 講師 (第2学期) 韓国の近現代美術

授業の目的・内容

韓国近現代期の美術の流れを辿る。まず、近代期以前における外来美術の受容について考察し、次に、韓国近現代の美術イメージを見ていく。韓国の20世紀は、1910年からの植民地時代、独立、韓国戦争、南北分断、軍事独裁、民主化運動、情報化と文化中心の国家政策などが続く時代だった。授業では、こういった時代状況を踏まえたうえで、描かれたイメージの中に絡み合っている画家と観る人々、社会のまなざしを検証することで、韓国の美術と文化に対する理解を深めてもらいたい。

授業計画

韓国における「近代」と「美術」
朝鮮美術展覧会ー近代期の美術行政と制度
朝鮮美術展覧会:「朝鮮色」の美術
戦争と視覚イメージ:戦時期の美術
文化と視覚イメージ:美術で表象される異文化
異文化支配の視覚表象と歴史の記憶:朝鮮総督府庁舎
韓国における「現代」と「美術」
1950-60年代の美術
民衆美術:視覚イメージが見つめた近現代
10 韓国の女性美術
11 クローバリズムと美術:韓国光州ビエンナーレの美術
12 コリアン・デイアスポラのアート:移住と視覚表象

授業方法

授業内容のレジュメを毎回配布し、スライドやデジタルイメージで作品を示しながら、イメージ分析を行なう。

成績評価の方法

出欠、学期末レポート

参考文献

金惠信(キム・ヘシン)『韓國近代美術研究植民地期「朝鮮美術展覧会」にみる異文化支配と文化表象』ブリュッケ2005
鈴木杜幾子、馬渕明子、池田忍、金惠信編『交差する視線―美術とジェンダー2』ブリュッケ2005
李成市(リ・ソンシ)東アジア文化圏の形成』(世界史ブックレット7山川出版社2000
姜尚中(カン・サンジュン)オリエンタリズムの彼方へ岩波書店1996
韓洪九(ハン・ホング)著 高崎宗司監訳韓洪九の韓国現代史-韓国はどういう国か-平凡社2003
韓国国立中央博物館所蔵―日本近代美術展図録 東京芸術大学美術館2002
池田忍・金惠信「植民地「朝鮮」と帝国「日本」の女性像」』(岩波講座 近代日本の文化史 第6巻『拡大するモダニティ』岩波書店2002
金惠信「韓国の民衆美術―遅れてきた美術の近代化」』(『美術のゆくえ、美術史の現在―日本・近代・美術』平凡社1999

その他

上記の参考文献のうちひとつに目をとおしてほしい。