美術史講義
フランス近代“美術”史

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
吉田 紀子 講師 4 2~4 通年 4

授業の目的・内容

フランス大革命から両大戦間期に至る19世紀を中心にしたフランス近代の“美術”について考察します。“美術”とはタブロー油彩画のみならず、彫刻、版画、壁画、装飾、工芸等を含む、広い意味での造形表現一般を対象にします。こうした“美術”概念の拡大を支えた19世紀特有の歴史的背景―政治体制、国際関係、社会問題、経済・産業、複製技術、美術行政、美術批評等の同時代状況―を重視する立場から、授業は時代を追う形で進みますが、毎回テーマを設けて論じるため、必ずしも通史的な概論にはなりません。なお、第1学期と第2学期に1回ずつ展覧会見学会を実施します。

授業計画

授業ガイダンス
歴史画の変容ダヴィッド
歴史画の変容ドラクロワ
政体とレアリスムドーミエ
政体とレアリスムクールベ
絵画の“脱構築者”としてのマネ
展覧会見学会(第1学期)
印象派再考サロンの再編成と印象派展
印象派再考描かれた都会生活
10 印象派再考描かれた田園・海浜風景
11 ロダンとカリエール
12 美術批評家ロジェ・マルクス
13 象徴主義的傾向ゴーギャン
14 象徴主義的傾向ゴッホ
15 象徴主義的傾向スーラ
16 アール・ヌーヴォーの諸相自然、女性、18世紀
17 アール・ヌーヴォーの諸相装飾芸術中央連合
18 アール・ヌーヴォーの諸相メゾン・ビング
19 展覧会見学会(第2学期)
20 キュビスムの画家たち
21 アール・デコと機能主義第一次世界大戦以前
22 アール・デコと機能主義1925年博から1937年博へ
23 まとめ
24 (予備日)

授業方法

講義形式、スライドを使用します。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
出席と学年末試験を総合して判断します。

参考文献

高階秀爾、三浦篤西洋美術史ハンドブック新書館1997
阿部公正世界デザイン史美術出版社1995
鈴木杜幾子フランス絵画の「近代」:シャルダンからマネまで講談社選書メチエ1995
ロザリンド・H・ウィリアムス夢の消費革命:パリ万博と大衆消費の興隆工作舎1996
稲賀繁美絵画の黄昏:エドゥアール・マネ没後の闘争名古屋大学出版会1997
天野知香装飾/芸術:19-20世紀のフランスにおける「芸術」の位相ブリュッケ2001
他の参考文献は授業時に適宜紹介します。