民法(経済学部)
経済学の理解に役立つ法律入門

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
磯本 典章 講師 4 2~4 通年 1

授業の目的・内容

授業は、民法の財産法をコンパクトにまとめて、わかりやすく解説することを目的とします。民法の財産法は、経済学と密接に関連しており、経済学の理解と勉強にとても役に立ちます。授業では、法律学と経済学とを有機的に結合させて、法律学(財産法)から見ると経済学がどのように見えるかをご説明いたします。

授業計画

ガイダンス 1年間の授業内容の紹介、経済学と法律学の相互関係
契約の意味 契約社会、契約の意味、契約の種類、有償契約
消費貸借契約 お金の貸借、要物契約、借りたお金の返還
消費貸借契約 利息制限法、出資法、貸金業法、サラ金の利息は高いか
賃貸借契約 賃貸借の意義と社会的機能、敷金・礼金・権利金
賃貸借契約 アパート・マンションの貸借、土地の貸借
売買契約 売買は資本主義経済の根幹をなす契約、売買の意義、贈与
売買契約 買った商品に傷がある場合はどうするか、手付
委任契約・和解契約 医師・弁護士・公認会計士・税理士との契約
10 請負契約・寄託契約 自動車修理・建物建築・クリーニングの契約
11 保証契約 他人の借金を保証した者は、他人が支払わない場合は責任を負う
12 担保物権 抵当権は近代経済社会の産物、企業施設の担保化に奉仕する
13 担保物権 質権、先取特権、留置権の意義
14 所有権 所有権制限の根拠は公共の福祉にある、共有の意義
15 不動産物権変動 公示方法としての登記、登記と登記簿と登記所
16 動産物権変動 引渡を必要とする物権変動、即時取得
17 契約総論 同時履行の抗弁権、危険負担、第三者のためにする契約
18 契約解除 解除の意義、履行遅滞、履行不能、不完全履行
19 債権譲渡 債権譲渡は投下資本の流動化を図るために有効
20 債務の弁済 債務の履行、手形・小切手、銀行送金、クレジットカード
21 団体 人と法人、ジョイントベンチャー、組合
22 意思表示 錯誤、詐欺、強迫、虚偽表示、心裡留保、公序良俗違反
23 代理 代理人のした法律行為の効果は直接本人に帰属する
24 事務管理 事務管理とは、義務がないのに他人のために仕事をすること
25 不当利得 意義、要件、効果、不法原因給付
26 不法行為 不法行為の意義、不法行為と債務不履行、要件と効果
27 不法行為 交通事故の被害者の立場、交通事故の加害者の立場
28 不法行為 正当防衛、緊急避難、失火者の責任
授業では、民法の財産法のすべての範囲を学習しますので、授業に出席されれば、法律的思考方法が十分に得られます。

授業方法

授業では、事例を示してわかりやすくお話いたします。受講して良かったと思える楽しい授業といたします。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する
学年末試験及び授業に貢献されたアシスタントにより評価いたします。アシスタントとは、教壇に座って教材を読んでいただく方です。

教科書

野村豊弘民事法入門』(有斐閣アルマ第3版補訂版、有斐閣2006

参考文献

野村豊弘法学キーワード第2版、有斐閣2003
野村豊弘・岡孝ほか分析と展開 民法 総則・物権第3版、弘文堂2004
野村豊弘・岡孝ほか分析と展開 民法 債権第5版、弘文堂2005
長谷部由起子・犬伏由子ほか法の世界へ』(有斐閣アルマ第4版、有斐閣2006
野村豊弘民法 序論・民法総則第2版、有斐閣2005
野村豊弘民法 物権有斐閣2004

その他

公務員試験、国家試験、資格試験、就職試験、法科大学院試験にも役立つ授業といたします。