フランス語圏文化講義(広域文化)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
鵜飼 哲 講師 4 2〜4 通年 4

授業の目的・内容

植民地主義の歴史は旧植民地の大半が政治的に独立して半世紀に近い今日もなお深い影を私たちの世界に落としている。イギリスとならんで広大な植民地帝国を領有していたフランスももちろん例外ではない。しかし、フランス文学は、アフリカやアラブの植民地状況や独立運動に取材した特異な作品の数々も生み出してきた。また、植民地主義の本質を深く分析する哲学的考察も現れた。この講義ではジッド、レリス、サルトル、ヴェイユ、ジュネ、セゼール、ファノン、サルトル、カミュ、デリダ、ギュヨタ、コンデらのテクストやルーシュやポンテコルヴォの映像作品を紹介しながら植民地主義の彼方を希求する精神の軌跡をたどる。

授業計画

植民地主義の歴史―グザヴィエ・ヤコノ『フランス植民地帝国の歴史』
アンドレ・ジッドの告発―『コンゴ紀行』
第二次大戦の衝撃―シモーヌ・ヴェイユ『フランス国民の運命との関連における植民地問題について』
コロンとコロニゼ―アルベール・カミュ『客』
植民地主義からの解放の論理―エメ・セゼール、フランツ・ファノン
アフリカの歴史―宮本正興・松田素二(編)『新書アフリカ史』
アフリカの「発見」(1)―ミシェル・レリス『幻のアフリカ』
アフリカの「発見」(2)―ジャン・ルーシュ『私は一人の黒人』
ジャン・ジュネ『黒んぼたち』を読む(1)―作品の概要
10 ジャン・ジュネ『黒んぼたち』を読む(2)―コンセプトの分析(ジャン・ルーシュ『狂気の主人』)
11 ジャン・ジュネ『黒んぼたち』を読む(3)―文体の分析
12 植民地語としてのフランス語(1)―ジャン=ポール・サルトル「黒いオルフェ」
13 植民地語としてのフランス語(2)―ジャック・デリダ『たったひとつの、私のものではない言葉』
14 アルジェリア戦争(1)―ポンテコルヴォ『アルジェの闘い』
15 アルジェリア戦争(2)―ジャン・ジュネ『屏風』(1)
16 アルジェリア戦争(3)―ジャン・ジュネ『屏風』(2)
17 アルジェリア戦争(4)―ピエール・ギュヨタ『五〇万人の兵士の墓』(1)
18 アルジェリア戦争(5)―ピエール・ギュヨタ『五〇万人の兵士の墓』(2)
19 カリブ海クレオール(1)―マリーズ・コンデ『女たちの言葉ーフランス語圏アンティルの女性作家たち』
20 カリブ海クレオール(2)―マリーズ・コンデ『ヘレマコノン』
21 カリブ海クレオール(3)―マリーズ・コンデ『越境するクレオール』
22 カリブ海クレオール(4)―マリーズ・コンデ『生命の樹』(1)
23 カリブ海クレオール(5)―マリーズ・コンデ『生命の樹』(2)
24 まとめ―植民地主義とフランス語の変容

授業方法

毎回プリントとレジュメを配布する。予習はとくに必要なし。

成績評価の方法

学年末にレポートを提出すること。テーマは講義のなかで指示する。

教科書

グザヴィエ・ヤコノフランス植民地帝国の歴史』(文庫クセジュ白水社
宮本正興・松田素二編新書アフリカ史』(講談社現代新書講談社1997
マリーズ・コンデ越境するクレオール岩波書店2001
マリーズ・コンデ生命の樹平凡社1998