信託法
信託法の理論と応用

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
能見 善久 教授 2 2~3 第2学期 5

授業の目的・内容

信託は、投資信託のような金融商品の枠組みを提供するほか、資産流動化の仕組み、年金信託における財産管理・運用、公益信託、財産を次世代に承継させる仕組みの提供など、経済的、社会的、公益的な分野において極めて重要な機能を果たす制度である。昨年、新信託法が施行され、実務的に大きな期待を持たれているところである。しかし、信託は英米に起源があることから、大陸法系の民法の考え方と異なるところもあり、この制度を我が国の法体系の中でどのように位置づけるかについては議論がある。このように重要であるが、難しさもある信託法について、民法の制度と比較しながら、その法理を分かりやすく解説し、将来信託関連の問題に遭遇したときに、それを解決できる力が身につくようにする。

授業計画

本授業の目的・概要(信託の実例・機能)
信託の特徴(委任と信託の比較)
信託の設定
信託財産と倒産隔離
受託者の地位・権限
受託者の義務(善管注意義務・忠実義務など)
受託者の分別管理義務
受託者の義務違反と責任
受益者の地位・受益権
10 多数受益者(受益権の複層化・連続受益者)
11 委託者の地位
12 信託の変更・終了
13 信託の担保的利用(信託と譲渡担保の比較)
14 信託の公益的利用(公益信託)
15 資産流動化と信託
毎回レジメをHP http://www7a.biglobe.ne.jp/~ynomi/ に掲載するので、各自ダウンロードして授業の準備をする。

授業方法

講義形式を基本とするが、民法との比較など簡単な問題については、質疑応答形式を併用する。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):100%

教科書

道垣内弘人信託法入門』(日経文庫日経新聞社

参考文献

寺本昌広逐条解説・新しい信託法商事法務

その他

メールによる連絡先 yos-nomi@symphony.plala.or.jp