生活と法
裁判員制度と刑事法の概要

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
田口 守一 講師 2   第1学期 2

授業の目的・内容

裁判員裁判の時代を迎えて、日本社会も大きく変わろうとしている。裁判員制度は、「狭い法律世界」の出来事にとどまらず、日本の社会そのものを変える出来事である。なぜ、そういうことになるのか。本講義では、狭い法律学の講義というより、より広く日本社会の特質や世界から見た日本という視座から、裁判員制度とそこで用いられる刑事法という法律の考え方を講義し、その理由を探索することとしたい。

授業計画

4/14 はじめに 1日本人と法律 2価値多元化社会と法律
4/21 第1章 日本の刑事裁判
1裁判制度(民事裁判と刑事裁判、刑事裁判の歴史)
4/28 2刑事裁判(日本の刑事裁判の特色、日本の刑事裁判の課題)
5/12 第2章 裁判員制度
1司法制度改革(刑事司法の改革、国民の司法参加)
5/19 2裁判員制度(裁判員の選任、裁判員の権利義務)
5/26 3裁判員裁判(公判手続(証拠調べ)、評議・評決)
6/2 第3章 犯罪と刑罰
1刑法の原則(罪刑法定主義、責任主義)
6/9 2犯罪と非犯罪の区別(犯罪成立の客観的な要件、犯罪成立の主観的な要件)
6/16 3刑罰とその決定方法(刑罰制度、量刑)
10 6/23 第4章 犯罪各論
1殺人罪と傷害致死罪(犯罪の現状、殺意の認定)
11 6/30 2強盗致死傷罪(犯罪の現状、強盗罪の法律問題)
12 7/7 3危険運転致死罪(立法の経緯、過失犯と故意犯)
13 7/14 むすび 1社会における刑事裁判の役割 2裁判員制度の将来
授業毎に講義レジュメを配布する予定である。

授業方法

授業は講義形式で行うが、受講者は、授業中でも授業後でも、何時でも質問をしてもいい。受講者のニーズや疑問に対応する講義としたいので、質問は歓迎する。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
学期末試験は、論述方式の試験で行う予定である。

教科書

田口守一=川上拓一裁判員裁判入門イウス出版2009
山口厚刑法入門』(岩波新書1136岩波書店2008年、ISBN:978-4-00-431136-2
田口守一=川上拓一『裁判員裁判入門』は、2009年4月発行予定である。

参考文献

参考文献は、授業時に指示する。

その他

この科目は、必修科目でも暗記科目でもない。今日という時代への関心を抱いている諸君であれば、誰でも歓迎する。講義内容は、一応法律学であり、しかも刑事法学という「堅い学問」ということになっているが、履修者が法学部以外の諸君ということもあり、できる限り分かりやすい講義に努めたいと考えている。もっとも、人を罰するのであるから、「分かりやすい」といっても限度はあるが・・・。