● イスラム世界

本講義では、「中東」、「西アジア」と呼ばれる地域の歴史を、特に同地域に特有の政治制度である「カリフ制度」に焦点を当てて、概観する。

１	授業実施についての説明、ジャーヒリーヤ史とアラビア語について
２	ムハンマドの生涯とイスラームの成立
３	イスラームの教義、儀礼
４	カリフ制の成立と正統カリフ時代
５	シーア派、ハワーリジュ派、スンナ派
６	アラブの大征服と改宗者、庇護民
７	カリフ制の世襲化（ウマイヤ朝カリフ政権）
８	アッバース朝カリフ政権の成立
９	アッバース朝カリフ支配体制の確立と衰退
10	ブワイフ朝期のカリフ
11	セルジューク朝及び後継諸王朝期のカリフ
12	カリフ論（イマーム論）
13	アッバース朝滅亡後のカリフ制とカリフ論
14	学期末試験

授業ではアラビア語のタームが頻出します。第一回目の授業でアラビア語について簡単に説明しますが、外国語科目で開講されているアラビア語の授業を履修することをお勧めします。また希望者には、授業後にアラビア語の基本を教えます。

講義形式を取り、授業毎にレジュメを配布する。

第1学期 （学期末試験） ：試験を実施する

平常点（出席、出席カードへのコメント・質問等）も成績評価に加味します。

教科書は特に使用しない。

佐藤次高『イスラームの国家と王権』（世界歴史選書）岩波書店、2004年、ISBN:978400026849X
嶋田襄平『イスラムの国家と社会』（世界歴史叢書）岩波書店、2003年、ISBN:9784000045512
佐藤次高編『西アジア史 I アラブ』（新版世界各国史８）山川出版社、2002年、ISBN:9784634413801
大塚和夫 他『岩波イスラーム辞典』岩波書店、2002年、ISBN:9784000802017

現代世界の動きを理解するうえで、イスラム世界は重要な位置を占めている。イスラム世界の成り立ちを、他の地域との交流や比較を通して歴史的にたどることにより、現代世界の扉を開く。

１	日本と中東・イスラム世界
２	軍人政権の登場とマムルーク
３	イスラム法学者の役割：ウラマー
４	職人と商人
５	神秘主義教団
６	都市の発展：ワクフ
７	イスラム法廷
８	都市の街区とヤクザ
９	イスラムの近世社会：サファヴィー朝
10	イスラムの近世社会：オスマン朝
11	イスラムの近代

講義を主体とするが、画像などの資料を用い、受講生との質疑を通じて、理解を深める

第2学期 （学年末試験） ：試験を実施する

講義へのコメントペーパーの提出を適宜加味する。

『新イスラム事典』平凡社、2002年
『岩波イスラーム辞典』岩波書店、2002年
佐藤次高『西アジア史１アラブ』山川出版社、2002年
三浦　徹『イスラームの都市世界』山川出版社、1997年