社会心理学II
情報行動の社会心理学

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
小林 哲郎 講師 2 1〜4 第2学期 1

授業の目的・内容

インターネットに代表される情報通信技術と社会の関わりについて、社会心理学の視点から習得する。インターネット利用は社会における情報流通や人々のコミュニケーションのあり方を大きく変えることで、社会の中の多くの領域において変化をもたらしている。日頃、多くの人々が何気なくPCや携帯電話を使っていることの社会的な意味について、実証的なデータに基づいた理解を深めることを目標とする。

授業計画

オリエンテーション:インターネットと日常世界
インターネット利用は孤独を癒すか?
インターネットを利用して「見せる」自分と「魅せる」自分
「デジタルプア」と「携帯デバイド」
携帯電話がつなぐもの・引き離すもの
ブログが作り出す人と人のつながり
オンラインコミュニティの社会関係資本
インターネット利用と世論形成:21世紀初頭の政治とインターネット利用
インターネット利用は寛容な社会を創り出すか?
10 地域社会とインターネット利用
11 「市場の達人」とインターネット
12 グーグルやアマゾンが変える消費行動
13 これからのインターネット社会
14 (予備日)
講義は、人々が日常生活の中で情報通信技術を使うことにどのような社会的な意味や効果があるのかを、国内外の実証的な研究を紹介しながら論じていく。領域は大きく分けて、社会的領域、政治的領域、消費的領域の3つの分野について論じる。社会的領域では、インターネット利用が個人の精神的健康や自己呈示・自己開示に及ぼす影響から、対人的相互作用やコミュニティ形成に対してどのような効果をもたらすのかについて学ぶ。政治的領域では、インターネット利用が有権者の政治的行動や政治的態度に対してどのような効果を持たすのかについて概観し、消費領域においてはインターネット利用と口コミの関連について論じる。

授業方法

配布資料や教材呈示装置を随時使用しつつ、講義形式で進める。講義中に、時々ミニアンケートや模擬実験を行い、受講者の反応を見ながら進めていきたい。

成績評価の方法

レポートおよび出席点などを総合して評価する。

教科書

池田謙一インターネット・コミュニティと日常世界誠信書房ISBN:4414301645
三浦麻子・森尾博昭・川浦康至インターネット心理学のフロンティア誠信書房ISBN:9784414301694

参考文献

適宜授業中に指示する。

その他

基礎統計と重回帰分析の結果の読み方について理解していることが望ましいが、必須ではない。