ドイツ語のテクストによる哲学、とくにドイツ系の哲学への入門案内を目的とする。ドイツ語の初級文法程度の既習者を対象とするが、文法事項をていねいに説明補足しながら授業を進めるので、2年次でドイツ語初級を始める学生もそれと平行して参加可能である。使用するのは、オリジナルの英語版と日本語訳があるドイツ語現代文の哲学書である。ハンナ・アーレント(Hannah Arendt,1906-1975)の晩年の哲学的主著Vom Leben des Geistes(精神の生活、The Life of The Mind) から演習に適する部分を抜粋して読む。アーレントはドイツに育ったユダヤ人で、1933年に亡命しその後はアメリカで活躍したが、ハイデガーとヤスパースの影響を大きく受けている。激動の時代を生き抜い哲学者である。
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1学期の前半は、アーレントの著作と生涯についてのガイダンスに続いて、Vom Leben des Geistes Bd.1 Das Denken の Einleitungを抜粋して読む。日本語訳を参照にする。