日本文学講義II
  --『遠野物語』と柳田国男の民俗学--

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
中村 生雄 教授 4 2〜4 通年 5

『遠野物語』(1910年)は柳田国男による日本民俗学の誕生を象徴する著作である。そこに盛り込まれた伝承と記録の細部を読み解くことによって、柳田国男が民俗学研究を通じて実現しようとしたものが何であったかを考えていく。

はじめに(1)−伝承と記録−
はじめに(2)−伝承と歴史−
初期の柳田国男について
民俗学の誕生
『遠野物語』を読む(1)−神話的起源−
『遠野物語』を読む(2)−家の歴史−
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11 『遠野物語』を読む(3)−記憶される事件−
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13 『遠野物語』を読む(4)−遠野の内/外−
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15 日本民俗学のテーマとの関連(1)−異世界としての山−
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17 日本民俗学のテーマとの関連(2)−記録と伝説−
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19 日本民俗学のテーマとの関連(3)−山から里へ−
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21 日本民俗学史の概観
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23 日本民俗学の評価
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26 まとめ
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講義形式に加え、テキストの講読・討論に重点を置く演習形式も取り入れて授業を行なう。

演習形式における報告と討論の内容、学期末・学年末のレポートの内容によって評価する。

柳田国男遠野物語』(角川ソフィア文庫角川文芸出版2004年、ISBN:4043083203

三浦佑之村落伝承論五柳書院1987年、ISBN:4906010237
菊池照雄山深き遠野の里の物語せよ梟社1989
石井正己遠野物語の誕生』(ちくま学芸文庫筑摩書房2005年、ISBN:4480089268
赤坂憲雄山の精神史』(小学館ライブラリー小学館1996年、ISBN:4094600892
谷川健一柳田国男の民俗学』(岩波新書岩波書店2001年、ISBN:4004307368
そのほかは必要に応じて指示する。

第1回目の授業に必ず出席のこと。