基礎演習IA
小説の読み方の基礎

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
中山 昭彦 教授 2 1 通年 4

授業の目的・内容

小説に一定の読み方の枠組み(方法)をはめ込んでみて、何が読み取れるかを粘り強く考えてみること。それがこの授業の目的である。同時にこの授業では、レポーターとして発表し、それに対して質疑応答を行うという演習形式がとられる。レポーター役をつとめるにせよ、それに対して質問や意見を投げかけるにせよ、いずれの場合も求められるのは、様々な要素を幅広く検討した上で、自分の意見をしっかりまとめ、他人を説得することであろう。しかし、そうした説得を行うには、こういう感じがするといった感想はまったく役に立たない。現に「私はそうは感じなかった」と相手にいい返されれば、それで終わりになるか、水掛け論になるだけであろう。
したがって重要なのは、そこに一定の読み方を持ち込んで、それを応用しつつ他人を説得することである。この授業では、多くの小説を読みながら、個々の作品にふさわしい分析の方法と説得術を学んでゆく。

授業計画

ガイダンス
参加者と日程の決定
小説の読み方に関する講義
芥川龍之介『羅生門』を講読
学生による発表と質疑・応答(演習形式)太宰治『走れメロス』
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11 学生による発表と質疑・応答(演習形式)谷崎潤一郎『刺青』
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14 第1学期のレポートの講評
15 第2学期で扱う小説についての講義
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18 学生による発表と質疑・応答(演習形式)川端康成『伊豆の踊子』
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21 学生による発表と質疑・応答(演習形式)森外『雁』
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授業方法

最初に芥川龍之介『羅生門』を対象に行う講読は、小説の具体的な読み方に関する注意、参加者に対する教員からの質問とそれについての討論、課題を提示した上での小レポートの提出からなる。また演習形式とは、レポーターとなった学生が口頭で発表し(最低15分は話すこと)、それに対してその他の学生が質問や意見を出して、レポーターが更にそれに答えることをいう。参加者は最低1回ずつ、レポーターと主に発表に対する質問や意見を述べる代表質問者をつとめること。また発表する際には、一定の書式と分量のレジュメを用意し、参加者全員に配ることが必要である。

成績評価の方法

出席。レポーターとしての発表内容の達成度、レジュメの完成度、質疑・応答に対する対処の適正さ。代表質問者としての質問・意見の妥当性。第1学期と第2学期の末に提出するレポートの完成度。漢字テスト(2回)の点数。代表質問者でないときの発表に対する意見・質問の妥当性、小レポートの達成度、出席率。これら6点により総合的に評価するが、1〜5の条件をきちんと満たしていない場合は、評価の対象としない。

教科書

芥川龍之介羅生門・鼻新潮社(新潮文庫)2005年改版以降の最新版
太宰治走れメロス新潮社(新潮文庫)2005年度改版以降の最新版
新潮社(新潮文庫)改版以降の最新版
川端康成伊豆の踊子新潮社(新潮文庫)2003年改版以降の最新版
その他の教科書については授業中に指示する。

参考文献

参考文献については授業中に指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

他学科の学生は履修不可