● ※日本史特殊研究
―『中右記』講読―
担 当 者
単 位 数
配当年次
学 期
曜 日
時 限
中込 律子 講師
4
D/M
通年
金
3
藤原宗忠の日記『中右記』の講読を通して中世の貴族の日記を読むための基礎的な技術を身につけるとともに、院政期の政治・社会に対する理解を深める。『中右記』は、白河・鳥羽院政期の政治動向の基本史料であり、また、政務や儀礼に関する比較的詳細な記事も多い。良質な古写本があることも含め、貴族の日記を扱う心得を習得するにふさわしい。『中右記』の魅力は、山門強訴などの寺院勢力の動向、宗忠の熊野詣や検非違使別当としての職務等々貴族社会の内部だけにとどまらない興味深い記事、個性的な記事に満ちている点である。『中右記』を読み込み、中世成立期の社会を鮮明にとらえたい。
1
公家日記の性格と『中右記』(1)/報告分担決定
2
公家日記の性格と『中右記』(2)/講読にあたっての注意点
3
各自の報告(以下同)
去年度に引き続き天仁元年四月を講読するが、講読箇所を変更する予定。受講生の希望も受ける。
報告者に対しては、一字一句をなおざりにしない厳密な解釈と、記事の前提となっている事柄の調査を課す。必要に応じて再調査を求める。各自の興味により、関連する研究論文に関する報告を織りまぜることを望む。
授業における報告を主とし、レポートを加味する
『中右記』(増補史料大成)臨川書店
『中右記』(大日本古記録)岩波書店
『中右記』(陽明叢書 記録文書篇)思文閣出版
研究書については授業において随時提示する。ただし、教員の提示以前に報告者が参考文献を博捜し、提示することが望ましい。