マクロ経済学(上級I)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
稲葉 大 講師 2 3〜4 第1学期 1

授業の目的・内容

学部の上級から大学院初級レベルのマクロ経済学の講義を行う.標準的なマクロ経済理論において、マクロ経済をどのようにとらえて理論化しているかを理解し、応用のための基礎を固めることを目的とする.講義の前半においては、動学的なマクロ経済モデルの入門としてソローの経済成長モデルを考察する.講義後半においては、本格的な動学的一般均衡モデルの基礎となるラムゼイ・モデルを考察し、動学的な最適化問題と経済理論との関係の理解を深めていくことを目的とする.

授業計画

I.イントロダクション
II.経済成長(1)
新古典派生産関数
II.経済成長(2)
数学の準備
II.経済成長(3)
Solowモデル
II.経済成長(4)
Solowモデルの動学的分析
II.経済成長(5)
人口成長の導入
II.経済成長(6)
技術進歩の導入
II.経済成長(7)
内生的成長理論、または実証分析
III.動学的一般均衡モデル(1)
静学モデル(1):競争均衡
10 III.動学的一般均衡モデル(2)
静学モデル(2):中央計画問題
11 III.動学的一般均衡モデル(3)
数学準備
12 III.動学的一般均衡モデル(4)
2期間モデル
13 III.動学的一般均衡モデル(5)
多期間モデル
14 III.動学的一般均衡モデル(6)
無限期間モデル
15 III.動学的一般均衡モデル(7)
ダイナミクスの分析
学部レベルのマクロ経済学・ミクロ経済学の知識を前提とする.また数学を利用するため、その都度学んでいく姿勢が求められる.同時に最適化問題を取り扱う経済数学の講義を履修するとより理解が深まる.
また、第2学期に行うマクロ経済学(上級II)も引き続き履修することが望ましい.

授業方法

講義は、板書、プリント、スライド等を用いて行う.
進度により、内容を変更することがある.

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
不定期に出す宿題および学期末試験により評価する.

教科書

N・グレゴリー・マンキューマンキューマクロ経済学(第2版)II応用篇第2版、東洋経済新報社2004年、ISBN:9784492313343
齊藤誠新しいマクロ経済学—クラシカルとケインジアンの邂逅版、有斐閣2006年、ISBN:9784641162730
経済成長モデルはマンキュー(2004)のテキストにほぼ沿って考察する.
動学的一般均衡モデルは、必ずしも特定のテキストを利用しないが、斎藤(2006)に基づいている部分が多い.

参考文献

David Romer, Advanced Macroeconomics, 3rd Edition, McGraw-Hill/Irwin, 2005, ISBN:9780072877304
Robert J. Barro, Xavier Sala-i-Martin, Economic Growth, 2nd Edition, The MIT Press, 2003, ISBN:9780262025539
Daron Acemoglu, Introduction To Modern Economic Growth, Princeton Univ Pr, 2009, ISBN:9780691132921
Lars Ljungqvist, Thomas J. Sargent, Recursive Macroeconomic Theory, 2nd Edition, The MIT Press, 2004, ISBN:9780262122740
加藤涼現代マクロ経済学講義—動学的一般均衡モデル入門東洋経済新報社2006年、ISBN:9784492313701
そのほか参考文献は授業時に指示する.