美術史講義
シャルトル大聖堂の建築とその装飾

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
高野 禎子 講師 4 2〜4 通年 3

授業の目的・内容

シャルトル大聖堂は古来ケルト人の宗教の中心地であった場所に建てられている。4世紀にキリスト教化されて以来数度の改築を経ているものの、13世紀ゴシック時代の威容を良く残す稀有な大聖堂として知られている。ノートル・ダム(聖母マリア)に献じられたこの大聖堂の内外を飾る彫刻群、地下の壁画、ステンドグラスを詳細に検討しながら、キリスト教図像学の知的な学問体系への導入として、一つの聖堂に限定して定点観測を試みる。積極的に授業に参加してもらいたい。

授業計画

はじめに—ゴシックという時代ー
導入部 (その1)ステンドグラスの魅力
導入部 (その2)『ガリア戦記』を読む
シャルトルの歴史とその遺構
サン・フォールの井戸(ケルトの泉の聖地・シャルトル)
聖母の衣(聖遺物とその収集)
ラビリント(床に展開する受難の道)
西正面の彫刻群(その1)ー人像円柱ー
西正面の彫刻群(その2)ーキリスト幼児伝他ー
10 西正面のステンドグラス(その1)ーエッサイの樹ー
11 西正面のステンドグラス(その2)ーキリスト幼児伝と受難伝ー
12 北正面の彫刻群(その1)ー天地創造ー
13 北正面の彫刻群(その2)ーヨブ記、ソロモンの審判ー
14 北正面の彫刻群(その3)ー聖母戴冠ー
15 北薔薇窓の聖母と旧約預言者達
16 北正面の三つの扉口
17 南正面の彫刻群(その1)−最後の審判ー
18 南正面の彫刻群(その2)−12使徒像ー
19 南正面の彫刻群(その3)ー証聖者達と殉教者達ー
20 南正面の三つの扉口
21 南薔薇窓の黙示録図像
22 黒い聖母像
23 柱頭彫刻群と生命の河ー西正面の黙示録ー
24 ステンドグラス窓(その1)−良キサマリア人の窓ー
25 ステンドグラス窓(その2)−良きサマリア人の主題ー
他の聖堂(ブールジュ大聖堂、サンス大聖堂)との比較
26 ステンドグラス窓(その3)ー贖罪の窓とタイポロジー
27 ステンドグラス窓(その4)ー贖罪の窓とタイポロジー
28 ステンドグラス窓(その5)ーシャルルマーニュ伝の窓ー
29 ステンドグラス窓(その6)−使徒伝の窓ー
30 三つの薔薇窓の意味についてーシャルトル大聖堂の800年ー
上記のように実施回に並べたテーマは、あくまでも目安である。学生の関心によってはさらに内容を深めて授業をする可能性もある。順序が変更されたり、割り当ての回数の増減もありうるので注意して欲しい。

授業方法

内容に関するレジュメを用意し、パワーポイントやスライドを用いて講義する。授業時の終りにリアクション・ペーパーを参加者に書いてもらい、次回の講義の参考等にさせてもらう。毎回出席をとる。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
第2学期 (学年末試験) :試験を実施する

参考文献

授業時に参考文献リストを配布する。
講義の進行に応じて適宜参考文献を紹介する。