西洋史特殊講義

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
見市 雅俊 講師 4 2〜4 通年 3

授業の目的・内容

西洋文明の中枢をなすものとして、ローマ帝国のもろもろの「遺産」を挙げることができる。キリスト教そのものもそうだし、また、「ゲルマン」的文化と「ラテン」的文化の対峙もそのひとつとして理解することが可能である。さらに、キリスト教世界に対抗するイスラム教世界の誕生についても、中東に展開したローマ帝国との関わりをみることができる。そして、EUの展開もかつてのローマ文明の記憶をひとつのベースにしているといってもけっして過言ではないはずである。このような観点に立って、ローマ帝国とキリスト教を軸に、この2000年間のユーラシア大陸西部の歴史を鳥瞰する。

授業計画

世界史の中で日本を考える
日本社会における「国産化」と「大衆化」の伝統
ローマ帝国の生成
ローマの「平和」と神々の饗宴
同上
「文明」と「野蛮」
英独仏・近代国民国家と三人の古代の英雄
同上
10
11 ササン朝ペルシア帝国とローマ帝国
12 ゾロアスター教とユダヤ教とキリスト教
13 ローマ帝国とキリスト教、その一、殉教
14 その二、「危機の時代」
15 その三、コンスタンティヌス大帝と皇太后へレナ
16 その四、テオドシウス帝
17 キリスト教世界の分裂と拡大
18 聖トマスのインド伝道の伝説
19 ネストリウス派教会と単性派教会
20 ササン朝ペルシア帝国支配下のキリスト教徒
21 イスラム帝国支配下のキリスト教徒
22 ネストリウス派教会とアジア伝道
23 モンゴル帝国支配下のキリスト教徒
24 同上
25 プレスター・ジョンの伝説
26 イエズス会によるエチオピア伝道
27 メキシコ・グアダルーペの聖母
28 19世紀における日本とフランスの比較
29 ルルドの聖母と天皇
30 全体のまとめ

授業方法

講義形式でおこなう。

成績評価の方法

第2学期 (学年末試験) :試験を実施する

参考文献

本村凌二多神教と一神教』(岩波新書岩波書店2005
ハウ1冊でわかる—帝国岩波書店2003
福井憲彦ヨーロッパ近代の社会史岩波書店2005
ベネディクト・アンダーソン想像の共同体増補版、NTT出版2004
岡田英弘世界史の誕生』(ちくまライブラリー筑摩書房1992
ウェザーフォードパックス・モンゴリカ日本放送出版協会2006
谷川稔十字架と三色旗』(歴史のフロンティア山川出版社1997
弓削達ローマ帝国とキリスト教』(河出文庫河出書房新社1989
桜井万里子・本村凌二ギリシアとローマ』(世界の歴史中央公論社1997
彌永信美幻想の東洋青土社1987
若桑みどり聖母像の到来青土社2008
ピーター・ブラウン古代末期の形成慶應大学出版会2006
ピーター・ブラウン古代から中世へ』(Yamakawa Lectures山川出版社2006