言語・情報コース 専門演習(3)
古高ドイツ語入門 1

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
平井 敏雄 講師 2 3〜4 第1学期 4

授業の目的・内容

古高ドイツ語(750年頃〜1150年頃)は、記録が残っている最古の時代(中世初期)のドイツ語です。書き言葉としてのドイツ語がまだ全く未完成で、発達の途上にあったこの時代のドイツ語を知ることは、言語の変化ということについてさまざまな新鮮な視点を与えてくれ、現代のドイツ語を考える上でもとても有用です。この授業では、最終的に辞書と文法書を用いて古高ドイツ語のオリジナルの文章を読み解くことを目指しますが、同時に、ゲルマン語からドイツ語へ、ゲルマン人からドイツ人へという、言語史的・社会史的な変化の中において古高ドイツ語をとらえることによって、ドイツの文化の源流が形作られた、ゲルマン的古代からキリスト教的初期中世の時代について、総合的なイメージを得ることをも目的とします。

授業計画

主の祈り
タツィアーンの統合福音書
ヒルデブラントの歌
寄生虫よけの呪文
イシドールの論文
ノトカーの詩篇
古高ドイツ語文法の習得、原典テキスト購読、ドイツ語による参考文献購読の他、以下のようなテーマを扱います。
a. ドイツ語以外のゲルマン諸言語
b. ゲルマン比較言語学
c. ゲルマン神話
d. 古高ドイツ語諸方言
e. 写本と文字
など

授業方法

・古高ドイツ語、ドイツ語史、ゲルマン諸言語に関して書かれた概説書をドイツ語で読み、基礎的な知識を得ると共に、歴史言語学の用語や概念に慣れる。
・古高ドイツ語の文法を習得し、文法書、辞書などの使い方に慣れる。少しずつ実際にオリジナルの文章を読んでみる。写本で使われている文字にも親しむ。
・テーマごとに担当を決めて発表を行い、質疑応答を通じて理解を深める。
上記を適宜組み合わせて進めます。

成績評価の方法

第1学期 (学期末試験) :試験を実施する
平常点(出席状況、授業への積極的参加、発表)及び学期末の課題を総合的に評価して決定します。

教科書

授業時に指示します(プリント等)。

参考文献

授業時に指示します。ドイツ語圏文化学科書庫にあるものを用います。